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2010年9月13日 (月)

アラスカ鉄道

翌日はチェナ温泉を早朝に出発してフェアバンクス駅に向かう。明け方までオーロラ観測で粘っていたので、徹夜明けで直行する羽目となる。
フェアバンクスはもっと大きな町かと思っていたら、駅周辺には人家もほとんどないところなのでビックリする。
フェアバンクス駅からは今回のお楽しみのひとつであるアラスカ鉄道に乗り込む。
列車はアンカレッジ、フェアバンクス間を夏期のみ1日1便走る観光専用列車で、自動車よりもはるかに遅いスピードでゆっくりと南下していく。
線路のまわりは黄金色の紅葉一色で見事である。
昼過ぎにデナリ公園駅に着き、ここで下車してデナリ公園に向けて、シャトルバスに乗り込む。
デナリ公園では一泊しかしないため、奥深くは入れず、公園のほんの入口付近しか入れなかったが、それでもデナリの雄大な雰囲気の一端は味わうことができた。

 

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デナリ公園のもうひとつの魅力は野生動物を見ることのようであるが、今回のような短時間の旅行でよほど運がよくないと、そういうチャンスには恵まれないようだ。それでもグリズリーの足跡らしきものを見られたのはラッキー(?)だったのかもしれない。

 

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その晩は、公園から南に20キロほど下ったところにあるロッジに泊まったが、なんとレストランは朝食のみしか提供しないという。
幸いフリーズドライの米を持参してきたので、なんとか空腹を紛らわし、食後はすぐにベッドに入ってオーロラ観測に備える。
23時に起き出して、近くの河原にオーロラ観測に出かける。チェナ温泉とは違い、他には観測者は誰もおらず、少々拍子抜けしてしまう。
ネットで調べたところではデナリでもオーロラは観測できるということだったので、観測3日目となる今日はぜひともと期待する。
今夜はオーロラの出る北方向を含めて満天の星空で、人工衛星や流れ星も次々と見られたので、大いに期待したのだが、結局2時過ぎになってもオーロラは現れず、とうとうあきらめてロッジに戻ることにする。
オーロラは天気だけでなく磁気にも影響されるので、運悪く条件に恵まれなかったのかもしれないが、ロッジから北方向にあるデナリ公園の町(といっても、ほとんど人家はないのだが)の明かりに邪魔されたのかもしれない。
北欧に続き今回もオーロラ観測には失敗したが、まあ楽しみは後に残しておくということで、次はグリーンランドにでも行ってみようか

 

翌朝は朝寝してゆっくりと駅に向かい、ビジターセンターで展示物や映画を見てから、アンカレッジ行きの列車に乗り込む。
今日のハイライトは鉄道からのマッキンレー展望であるが、かなり雲が出てきたのが気がかりである。
マッキンレー登山のの玄関口となるタルキートナの手前付近からは、晴れていれば正面にマッキンレーが見えるはずであるが、残念ながら厚い雲に覆われて前山が見えるだけである。
列車は途中何回か停車し、乗客も下車して雄大な景色を楽しむ。

 

Photo_5 

 

だんだんと緯度も下がってきたせいか、木々も緑が目立ち初め、季節も秋から夏に逆戻りしていくようであった。
列車がアンカレッジにかなり近づいた頃に車内放送があって、マッキンレーが見えるといっている(らしい)。
乗客は一斉に窓側に移動する。自分も窓やデッキから写真を撮りまくった。
随分と離れているにもかかわらず、堂々とした山容が望まれ、現地名でデナリ(偉大なるものの意)と呼ばれるマッキンレーの大きさをあらためて実感させられた。遠望ではあったが、マッキンレーを眺められたことは思いがけない喜びであった。

 

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列車は間もなく終点のアンカレッジ駅に到着する。
アンカレッジは州都の割には小さい町で、人通りやお店も思ったほど多くなく、日本の小都市程度であった。
ヨーロッパ便がシベリア直行となって以来、この町も地盤沈下が生じているのに違いない。
B&Bに荷物を置いて食事に街に出る。アラスカ最後の夜ということで、シーフードの店に行き、カニとサケの料理を注文する。どちらもトロリと柔らかくて美味であった。

 

最終日は飛行機に乗って帰るだけである。行きはフライトトラブルの連続であったが、帰りはスムーズに生きたいものである。
ところが、アラスカ航空のカウンターでチェックインしようとしたら「トゥーレイト!」と言われてギョっとしてしまうが、その後はなにもなかったように搭乗券を発行してくれたので、どうやらEチケットの行きと帰りの日付を読み間違えたようである。びっくりさせるんじゃないと文句の一言も言いたくなった。
飛行機も順調にアンカレッジ空港を離陸して上空に達すると、北方にはマッキンレーがどっしりとした姿を見せてくれ、あらためて感激する。
飛行機の進路左にはカナダ最高峰のローガンを盟主とする山群が見えてくる。マッキンレーのように傑出したピークがないので、どれがローガンかは特定できなかったが、山群全体のスケールではマッキンレーを凌ぐ見事なものである。これを間近に見られただけでも、今回来た甲斐があったという気がした。

 

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シアトルで東京行きに乗りかえれば、後は10時間ばかりの退屈なフライトを我慢するだけである。
6日間のつかの間の避暑はあっという間に終わり、また猛暑の毎日が続くことになるのであろうか

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