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2011年4月 5日 (火)

現地ボランティア

日月の2日間で石巻ボランティアセンターによる仙台-石巻連絡バスを利用して、石巻北方の北上地区の被災地支援のボランティアに参加してきました。

夜行バスで仙台駅前に着いたのが朝6時前でしたが、連絡バスの乗り場付近には出発が7時45分だというのに、もう行列ができていました。先着80名ということでしたが、この日は希望者が多いことを予想してバスをもう1台増発して120名強まで受入れてましたので、7時過ぎに並んでも大丈夫だったようです。下の写真の青い服装の人達は東北福祉大学の学生で彼らが運営に協力していましたが、なにぶん慣れないため不手際も多く、参加者からは苦情があがっていましたが、学生さんということで大目に見てあげましょう。

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今日は日曜ということもあって、東京からの参加者も多く、私がすわった列の5人は全員東京からの参加でした。うち、三条○人、さかい○○あきというどこかで聞いたことのある二人(もちろん、歌手ではありませんが)は両夜行での参加という強行軍でした。

仙台中心部は一見したところでは地震の爪痕は窺えませんが(ただガスは復旧してないそうです)、バスが海岸近くまで来ると、津波による被害の甚大さが目の前にひろがってきます。今日の目的地の北上地区までは途中の渋滞もあって3時間強の時間がかかります。海から離れた内陸ではありますが、手元の高度計では海抜ゼロメートルに近い標高なので、津波の直撃を受けて倒壊した家やビニールハウスの無惨な骨組みだけが残っています。

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我々がお手伝いしたのは、家屋は倒壊を免れたものの、1階や庭が土砂で覆われて避難生活を余儀なくされているお家のドロ出しや家財の運び出しで、1台のバスをさらに4グループに分けて、それぞれに学生がリーダーとしてついて、割り当てられたお家のうち、原則として住人がいらっしゃるところに限って(避難している方も家の片づけに見えている)、作業していきました。あるお家では、庭に冷蔵庫が何台も横たわっていて、なんでこんなに冷蔵庫があるのかと思ったら、みな余所から流れてきたものだそうです。被災直後はその冷蔵庫に入っている食料で飢えをしのいだそうです。

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近接しているようなところでもちょっと離れているだけで被害の程度が大きく違っています。1軒だけほとんど無傷で残っているお家の場合には、家の近くまで車が何台も流されてきましたが、結局、それらの車が防波堤代わりになって、家自体は津波の直撃を免れたそうです。また海からの距離では遠いはずの所の方が被害が大きいところもあります。これは川からの距離の差によるものだと考えられます。これらを見ると、自然の猛威の恐ろしさを知らされるとともに、運不運というものも感じずにはおられません。

現地の天候は不順で汗ばむような気候かと思うと、一転して雪が舞い散り、さらには風が雪を追いやった後には砂埃りが立つといった有様で、長期にボランティア活動を行う場合には慎重に体調管理をしていかなければいけないなと痛感しました。

初日の作業は3時半で終わり、専修大学にあるボランティアセンターに寄ってから仙台に向かいました。大学の敷地にはボランティアのテントが多数張ってあり、今週末に参加するピースボートの第2陣のキャンプ地に挨拶に行きました。その後、仙台に戻ったのは8時を過ぎてましたが、今晩の夜行バスで帰る例の三条氏らと居酒屋で一杯やってからねぐらに向かいました。当初はホテルは避難者等で満室だったため、広瀬川の川原にテントを張るつもりでしたが、一緒に居酒屋に行った人が泊まっているカプセルホテルに連絡すると、空きがあるということで、生まれて初めてカプセルホテルに泊まることになりました。ガスが通じてないためシャワーが使えないので、通常料金3500円が2000円とのことでした。

翌日は平日なので、そんなに参加者も多くないだろうということで7時頃にバス乗り場に向かいます。今日は地元の参加者が多く、特に学生の参加が目立っていました。作業自体は前日とほぼ同じようなものでしたが、あるお家は持ち主が行方不明ながら、親族からの片づけ依頼による作業でした。家の中は家財が散乱していて、どこから手を付けたらよいかわからないほどでしたが、少しづつ片づけていったところ、首輪が付いて柱にヒモで結びつけられていたネコの死体を発見。ひょっとして持ち主も思ってぞっとしましたが、結局そのようなことはありませんでしたので、どこか無事に逃げられていらっしゃることを祈るばかりで作業を終えました。

短い二日間の作業でしたが、今週末からのピースボートの1週間の作業の予行演習という意味ではよい経験でした。

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