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2011年6月11日 (土)

富士登山競争コース

早くも1ケ月後に迫ったハンテングリ登山に向けて富士山での高所順化訓練を行っているところだが、毎回同じ所を登っていると飽きてくるので、高所順化訓練とは別のテーマも併せ持って臨んでいる。前回は海抜ゼロメートルからの登頂ということで、駿河湾からスタートしたが、今回は以前に何回も出場した富士登山競争のコースを辿ってみることにした。

富士登山競争というのは7月下旬に開催され、富士吉田から吉田口頂上までの標高差2900メートル、距離21キロを制限時間4時間30分以内で走り切るというもので、普通に歩けば10時間から15時間かかるので、およそ2.5倍くらいのスピードが必要とされるというハードなレースである。そのため、フルマラソンで3時間を切る走力があっても制限時間内完走ができない人もいるほどで、完走率は約40%と低く、私の過去の成績も2勝2敗というものであった。

今回は富士吉田から五合目までは自転車、そこから上は歩きの予定だが、コース中で馬返しから5合目までは急傾斜の階段状を多く含んでいて自転車では通れないので、その部分だけは林道を迂回していくことにする。

富士急線への直通電車に乗れたので、大月で乗り換えることもなく富士吉田駅に10時前に着く。富士吉田駅は7月から富士山駅と名前が変わるそうで、富士吉田駅からスタートする最後の富士登山となりそうだ。この時期は例年コースを試走するランナーが絶えないが、スタートして約5キロ地点にある中ノ茶屋まではランナーの姿は見かけない。平日ということもあるが、中ノ茶屋または馬返しまでは車で行き、そこから上を走る人が多いせいだろう。

途中、富士スバルラインへの分岐を通り越して直進する。富士スバルラインは距離30キロ、平均斜度5%であるのに対して、中ノ茶屋経由の滝ノ沢林道は距離20キロ、平均斜度7%なので、苦しかったら富士スバルラインに逃げようかと思っていたが、平均斜度7%程度ならば問題はないようなので、そのまま中ノ茶屋に向かう。中ノ茶屋から馬返しまでの6キロは自転車でも通れないことはないのだが、悪路である上に傾斜もキツイので、帰りに通ることにして、滝ノ沢林道をそのまま進む。

対向車も少なく快適な道を進むと、途中の樹林帯ではセミが一斉に鳴き出して盛夏のようであった。セミの鳴き声も通り過ぎて、次第に高度を上げていくと、4合目2100メートルの標識がある。腕時計の高度計では1840メートルとあり、駅で確認した時には実際高度よりも40メートル高く表示されていたので、この標識の高度は絶対に間違いである。これが正しければ5合目までは大した登りもないことになるが、実際のところはまだ400メートルくらいはあるはずである。

その標識のすぐ先に車止めの遮断柵があって、あきらめた車がUターンしてくるが、自転車は柵の隙間から通り抜けられるので、そのまま進んで行く。車が通行してないので、道の真ん中に巨岩が転がっていたり、ところどころ、砂利が道路上にあったりするが、走りづらいというほどでもない。この頃になってくると、ようやく疲労もたまってきて、太ももに痙攣が起きそうになってきたりしたので、一時自転車を押して歩いたりして、3時にようやく5合目に着く。

Photo

ここに自転車を置いて、富士山に向けて出発する。見上げたところ、今年は雪が少なくて、8合目までは夏道が完全に出ている。上からはスキーやスノーボードを担いだ連中が降りてくるが、随分上まで行って滑ってきたのであろう。ご苦労様でした。

この時間から歩き出したのでは明るいうちに山頂までは無理だが、高度順化の効果を得るためには3500メートルあたりまで登っておきたいところである。とことが3000メートルを越えるあたりから風が強くなってきて、3200メートルあたりから上部を見上げると、さらに風が強そうであった。今回は軽量化のためにテントを持ってこず、ツエルトというペラペラの布切れだけなので、吹きさらしの稜線で一夜明かすのはつらかろうと、今日はここまでとする。

ところがツエルトを張った時点では風がたいしたことがなかったのだが、この場所も次第にに風が強まり、足で押さえているツエルトの端がまくれ上がると、下界の夜景が眺められるという豪勢な?状態であった。夜中には頭の方のツエルトも吹き上げられて、強風がまともに体にあったりしたが、なんとかツエルトを巻き込んで、風にあたらないようにする。1週間前の御殿場から登ったときと同じ軽シュラフを使用したのだが、標高差にして1800メートルはあるので、温度差ではおそらく10度はあったろうからさすがに寒かった。

熟睡はできずに早くから目覚めていたが、明るくなってからようやく炊事にとりかかる。背中越しにツエルトを通してビュービューと当たる風に抗しながら、股の間にコンロを挟んでお湯を沸かして、簡単な朝食を済ます。食後に荷物をザックに入れ始めると、ゴミ袋が無くなっていることに気付く。手ぬぐい、帽子、百均の手袋等を入れた袋も見あたらない。ザックに入れておかなかったので、風で吹き飛ばされたのだろう。手ぬぐい等はなくても困らないが、故意ではないにしても富士山にゴミを巻き散らかしてしまったことにを後悔する。

ザックにツエルト以外の荷物を全部しまった時に外で声がするので、ツエルトをまくってみると、外人の男女ペアが下山してきて、「大丈夫ですか?」と声をかけてくれる。OKと答えるが、女性の方は空身でヨタヨタしながら歩いていて、向こうの方が心配になってくる。

相変わらず風は強いので、行けるところまで行って帰ってこようと思って登り出すが、それほど風も強くならないので、この分なら頂上まで行ってこられそうである。途中から雪道となるが、踏み跡がしっかりしてあるので、アイゼンなしでも登りは特に問題はない。ただ安全を期して、9合目の鳥居のところでアイゼンをつける。そこからもう一頑張りで吉田口頂上である。

Photo_2

ガスっていてなにも見えず、風が強いだけの頂上に長居してもしょうがないので、すぐに下降に移る。降りだして直ぐに、下から登ってくる二人パーティーと出会う。後ろの人はどうもガイドのようであった。ここから8合目までの下りは、条件しだいでは多少緊張するところであるが、今日は条件もよいので、たいした緊張もせずに8合目まで降りてアイゼンを外していると、さきほどすれ違った二人パーティーがロープで結びあいながら雪渓を降りてくる。こんなところでロープを使うのだから間違いなく、ガイドパーティーだ。自分も歩きながら、先頭がスリップするのを止めるのは卓越した技術が必要で、ガイドかそれに準じる技量のある者にちがいない。それに二人ともに技量があれば、こんなところでロープを使うはずはないのだから、先頭を降りるのは客なのであろう。彼らは、雪渓をそのまま須走の方へと向かっていった。

Photo_3

ここから下は単調な下り一方だが、さすがに下りとなると早くて12時過ぎには、五合目に着いてしまう。自転車に荷物を積み替えたりしていると、馬返しからコース試走に上がってきたランナーが次から次にやってくる。金曜だというのにこの人出では土日はすごいことだろう。

ここからは快適なダウンヒルを一気に下ってコース半分の所とまで30分くらいで来る。このまま一気に下まで降りたい気もしたが、行きにエスケープした馬返しまで行ってみることにする。馬返しまでの林道はほぼ水平ではあるが、かなりの悪路で、行きに通らなかったのは正解であった。馬返しのやや下で中ノ茶屋からの道と合流するが、悪路を馬返しまで登るのも面倒なので、そのまま中ノ茶屋目指して下っていく。悪路ではあるが下りのため、それほど苦労せずに中ノ茶屋に着く。そこから先はまた快適な5キロにわたる下り道で富士吉田駅に着いてフィナーレとなる。今回は富士登山競争コースのトレースという目標をほぼ達成できたが、次回の富士登山はどんな趣向で臨むこととしようか

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