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2012年3月24日 (土)

アイス&グリーンランド 

北欧とアラスカで失敗したオーロラ観測のリベンジで三度目の正直を果たそうとアイスランド・グリーンランド旅行に来ました。まずは11時間のフライトで乗り換えのコペンハーゲンへ。乗り継ぎ時間が4時間あるので、地下鉄で人魚姫の像を見に行くことにする。今回はレイキャビックでのホテルまでのバスの乗り継ぎ時間が短いため、荷物の機内預けはせず、全て機内持ち込みとしたため、市内観光の間は荷物を預ける場所を探し回って、荷物を預けた後に地下鉄駅に向かう。デンマーククロ-ネは成田で両替済みであったが紙幣だけだったので、自動販売機では使えない。幸い有人の販売所が隣にあったので、人魚姫像の最寄り駅まで1回の乗り換えで着き、15分くらい歩いて海辺に達する。有名な像だからもう少し観光地っぽいところかと思ったら、閑散とした場所で観光客が数人いるだけだった。「世界三大がっかり名所」のひとつということで、最初からたいして期待していなかったので、こんなもんかと記念写真だけを撮って、隣にある五稜郭を思わせる要塞跡を通って駅に戻る。

 

Marmade

 

ところが駅には有人の切符販売所はなく自動販売機だけしかない。 しかたなく無賃乗車するが、通常海外では改札口がなく、希に車内検札があって切符を持っていないと、かなりのペナルティが取られるので、乗り換えの隣の駅で駅員に教えてもらった有人の切符販売所を探し当てて切符を買い、堂々と空港に向かう。

 

レイキャビックに向かうアイスランド航空に乗り込んだ時は現地時間は夕方8時だが、日本時間では朝の4時でさすがに眠くなる。機内ではジュース類は無料だが、食べ物はLCC並に有料とのことで、食欲もなくジュース類だけで済ます。レイキャビックには3時間のフライトで定刻どおりに着き、市内行きのバスに乗り込む。市内までは40分近く原野を行くので、車内からオーロラが見られるかと期待したが、雲が厚く無理であった。まだまだ先は長いと気楽に構えて目的のホテルに着き、長い長い一日が終わった。

 

 翌日は昼過ぎにグリーンランド行きのフライトなので、午前中はゆっくりとできるのだが、前夜は睡眠不足にもかかわらず、時差ボケで早くから目が覚めてしまう。泊まったホテルは今日利用する国内便中心の飛行場の隣で、飛行場の回り1周約8キロはランニングコースにもなっているとのことなので、1時間ちょっとかけてジョギングをする。海辺を通るあたりは車両通行禁止の道路で気持ちのよいところであった。ジョギング後に腹を空かしてホテルのレストランに向かう。今回の旅行のうち、グリーンランドのホテルは3食着きであるが、物価が高いといわれるアイスランドでは朝晩はお湯だけで食べられるフリーズドライ食品やノンカップ麺を持参してきていた。後半に泊まるレイキャビックのホテルは朝食なしのことがわかっていたが、最初のホテルは朝食付きかどうかわからなかったところ、前夜のチェックインの時に「あちらが朝食のレストランです」と言われて、すっかり朝食代は泊まり賃に含まれているものばかりだと思いこんでしまっていたところ、レストランに入ってすぐに部屋番号を聞かれ、続いて「支払いは泊まり賃にチャージするかどうか」と言われて思い違いに気がついた。今更退散するわけにもいかず、そのままレストランで食事をとったが、後で精算をして知った朝食代1500円自体は思っていたほど高くはないものの料理の内容は貧しく、持参した食料を消費して荷物を減らすことができなかったことが悔やまれた。

 

 食後も時間が余ったので、持参したPCでネットに接続しようとしたところ、ホテルの無線LANは有料のようであった。メールの送受信はヤフーメール経由で携帯でもできるので、そちらで用事は済ませ、少し早めだが空港に向かうことにする。ホテルと空港ロビーは目と鼻の先なのだが、滑走路を巻いて大きく迂回しなければならないので、今日のジョギング時の下見からすると歩くと1時間はかかりそうであった。一人ならいざ知らず、家内と一緒なのでタクシーを呼ぶことにする。実はここで大失敗をやらかしてしまう。空港で運転手に料金を支払っている間に家内が後部から荷物を降ろして、途中で「この帽子はあなたのものか」と聞いてくるので、「違う」と答えると了解して他の荷物を降ろしたようである。私が下車すると、運転手は降ろした荷物も確認せずに走り去ってしまう。後には見知らぬコートがひとつ目に入る。なんでも奥の方から私のものと勘違いして引きづり出したらしい。私の羽毛服はザックの中であり、連れ合いの服くらいは覚えておいてほしいと言いたいところであるが、後の祭りである。こちらから運転手に連絡する術はなく、問題は彼がコートがなくなっていることに何時気づくかである。早い時間に気づけば手渡せるのだが、そうでない場合には空港のチェックインカウンターに預けなければならないので、その場合の説明文を英語でどういう風にいうか考えていた時に、彼はコートを取りに戻ってきたので、謝りながらコートを渡して一件落着となったが、実はこれは今日のトラブルの序曲にすぎなかったのである。

 

 電光掲示板には国内便の外に13時に同時に出るグリーンランド行きが2便(我々の乗る東海岸のクルスク行きともう1便の西海岸のヌーク行き)が表示されており、ヌーク行きの便のチェックインは始まっているが、クルスク行きは一向に始まる気配がない。そのうちに英語のアナウンスがあり、クルスク行きはキャンセルとなり、明日の便になる(本来は周2便)といっているようにも聞こえたが、何分英語が得意でないので確信がもてなかった。隣に座っていた女性が近くの人に相談しているような様子も見られたが、他のクルスク行き待ちと思われる乗客には動揺は起きていない様子だったので、もうしばらく状況を見守ることにした。ヌーク行きのチェックインが一段落したようなので、係員に確認すると、やはりクルスク行きはキャンセルということであった。フライトキャンセルは何度も経験していることなので、まあ仕方ないくらいにしか思わなかったが、クルスクのホテル3泊のうちの今日の宿泊キャンセルをどう連絡するかであった。アイスランド航空のフライトとホテル宿泊がセットとなっているため、アイスランド航空がキャンセルとレイキャビックの代替ホテルの確保をしてくれることになり、我々夫婦の外に他の3人(うち一人は日本人で我が家の息子とほぼ同年齢であった)をホテルまで送ってくれることになり、明日のフライト成功に希望を託すことになった。

 

 ホテルに戻ってから午後の予定を検討した結果、ブルーラグーンという昨日着陸した国際空港近くの温泉に行くことにした。温泉から市内に戻る最終バスが21時なので、運が良ければ温泉に入りながらのオーロラ観測もできるかもしれない。その温泉に行くためには、まず長距離バスの乗り場まで行かなければならない。市内バスを乗り継いで行けば受けるだろうと気軽に考えていたが、路線が網の目のようになっていてわかりづらく、おまけに乗車賃分のコインがなければバスにも乗れないということがわかり、途中で一日有効の乗車券を購入して何度も間違えながらも、グーグルマップから切り出した地図にPDAのGPS機能で現在地確認をしながら行ったので、見知らぬ場所でも進路の間違いがすぐわかり、なんとか長距離バスの乗り場までたどり着く。温泉行きのバスまでは1時間以上あることがわかり、コートを持ってこなかった私にコートを取りに行ったらと家内が言うので、ホテルに戻りかけるが、またしてもバスの上り下りを取り違えたため、ホテルに戻るのは止めて、温泉に直行することにした。家内が確認してくれたことによれば、帰りはホテルまでバスが送ってくれるとのことなので、帰りの寒さは心配しなくて済むこととなった。

 

 海岸線を国際空港に向かって進んでいくと、遠くには雪をいただいた山々が見えてくる。空港の少し手前で進路を南に向けると、しばらくして地熱発電所からもうもうと煙(湯気?)ががっているのが見えてくる。その少し先が今日の目的地の温泉であるブルーラグーンである。日本の温泉とは違い自然の巨大なプールさながらで、水着着用での混浴?である。硫黄等の臭いはあまりなく、場所によって違いはあるが概して温めなので、何時間でも入っていられる。あまり風呂が好きでなく、いつもは烏の行水ですぐにでてしまう自分だが、今日はできればオーロラを見たいという目的があったにせよ、3時間以上も入り続けていたのは我ながら驚きである。温泉の一角にはドリンクバーが設けられていて、日本では健康上の理由で勧めていられない入浴中の飲酒も盛んに行われていた。私も早速ビールを注文する。ビールを飲みながらの温泉は最高である。

 

Supa_2 

 

 最初は19時のバスで帰るつもりであったが、せっかく来たのだから21時の最終バスまで粘り、オーロラ観測にもチャレンジすることにしたが、7時過ぎになっても一向に暗くならない。「おいおい、まだ白夜の季節じゃないぞ」と言いたくなったが、どうやらアイスランドの標準時が首都のレイキャビックよりも多分東の方に設けられているためらしい。8時になって残光はなくなったが、雲が一面を覆っている空の中で唯一雲が切れている西の空はまだ漆黒の闇には包まれていない。ただ、西の空を目指して雲が押し寄せてきており、最終バスに乗り込むために着替え等の準備で温泉を出なければならないタイムリミット30分間は、暗くなるのと東からの雲が雲の切れ目を覆ってしまうのとの時間の競争であった。残り時間はたちまち過ぎて、残念ながら今日のオーロラ観測はあきらめざるをえなかった。代わりに下のような見事な飛行機雲が見られたので、今日はこれで我慢しておこう。今日はもともとオーロラは出ていなかったんだと自分に言い聞かせて町に戻り、明日以降に期待することにする。

 

Cloud

 

 翌日はグリーンランドフライト再チャレンジである。早めに空港に着いてフライトを待つ。今日はチェックインまでは順調に行ったが、搭乗が時間を過ぎても一向に始まらない。多分、行き先のクルスクの天候見通しがはっきりせず、その見極めがつくまでゴーサインが出ないのだろうと、今日もキャンセルとなることも覚悟しながらじっとゴーサインが出るのを待つ。予定よりも1時間以上遅れてやっと搭乗が始まるが、まだなにか問題があるようで、なかなか扉が閉まらない。プロペラ機が離陸して初めてグリーンランドに行けるという実感が得られた(パキスタンのスカルドでは着陸寸前にまた機体が上昇して出発地のイスラマバードに戻ったこともあったけど)。そんな心配をよそに1時間半ほどのフライトで機体はグリーンランド上空に達して、次第に高度を下げていく。思っていた以上に雪が多く、ヒマラヤを思わせるような光景が展開していく。まもなく機体は雪の平面に作られた滑走路に着陸して、ついにグリーンランドへの上陸が達成される。飛行場にはホテルからの迎えの車がきており、山々に囲まれた絶好のロケーションのクルスクホテルに向かう。

 

Photo_12

 

1時間近く歩けばいけるというイヌイット村まで行ってみたい気もしたが、道もわからなかったので、家内とホテルの回りをあるくだけに留めて、今夜の部屋からのオーロラ観測と明日のツアーに備えて鋭気を養うこととする。

 

今晩からは3食付の宿泊なので、どんなメニューが出るかと期待したが、調理されてない素材だけが提供されているという感じでシェフの料理にはほど遠いものであった。そのくせ味付けだけはやけに辛かった。泊まり客は我々を含めて5人で、日本人の学生と食事しながら色々と話をしたが、優秀かつ積極的な若者であった。その晩は12時過ぎから起きだして窓越しにオーロラを待ったが、薄雲が出て星の光も弱かったせいか、またもやオーロラは現れず、4時過ぎには空が薄明るくなってきたので、今日の観測はあきらめて朝の眠りにつくことにした。

 

朝目覚めると小雪がちらついていた。7時に食堂に行くとほぼ準備も終わっているようなので食事をとる。普通のホテルの朝食だったが、野菜や果物がないのがさみしかった。今日は犬ぞりでイヌイット村に行ってみるつもりだが、天気が良くなることを期待して午後から出かけることにする。しばらく横になってから窓の外を見ると、同じホテルのアメリカ人夫妻が犬ぞりで出発するところであった。

 

Departure

 

フィンランドで乗ったような乗客自身が橇を御するのでなく御者がついていて乗客は乗っているだけなので、これなら家内と一緒に乗っても安心である。しばらくしてから窓の下を覗くと、くだんの日本の青年が一生懸命石拾いをしている。その後、彼の石のコレクションを見せてもらい、そのうちのいくつかを家内はプレゼントしてもらっていた。不思議な青年である。

 

Collection

 

天気の方は回復はしなかったが悪化もしなかったので、昼食後にイヌイット村に出発する。10頭建ての犬ぞりである。ホテルと村の間にはクレバス特有の青氷の突起が連なっていて、そこを大きく迂回していく。途中で荷物運搬のスノーモービルに追い抜かれる。まもなく遠くに村が見えてくる。ホテルからは犬ぞりで15分ほどで到着する。歩くと1時間近くかかるようである。ここで1時間の休憩である。イヌイット村人口250人だそうである。村のはずれの小高い所に登って村全体を見渡す。少し先には海があり、夏は漁業もおこなわれているようである。

 

Village

 

村の学校や雑貨屋を見てからホテルに戻る。相変わらず天気は回復しないようであるが、今晩も一縷の望みを託してオーロラ観測にチャレンジしよう。それよりも明日のレイキャビクへのフライトが予定どおりあることを祈りたい。

 

School

 

Market

 

Arrival

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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