デンバーにゴール
今日はいよいよデンバーにゴールする日である。
ネットで調べると21マイルとある。もっとも、これは両都市をほぼ直線で結ぶ36号線を利用した場合のことで、36号線は途中でフリーウェイに変わるので、敬遠することにする。山側の93号線経由の場合は多少遠回りになるが、13時前に始まる女子サッカーの日米決勝戦は多分、自分の部屋で見られるだろうと思っていた。
93号線を行くのであれば立ち寄りたい場所がある。途中3マイルほど山の奥の方に入ったところにあるエルドラドという比較的知られた岩場である。行ってみると、料金徴収所がある。歩行者3ドル、乗り物8ドル、ペット70ドルとある。自転車の場合、どれに該当するのかよくわからないが、いずれにしてもちょっと見るだけで金を払うのは馬鹿らしいので、料金所の手前から見るだけにする。ここからでも2パーティーが登っているのが見える。スケールは4ピッチほどであろうか、岩場全体の規模はここから見た限りでは前日のキャニオンに比べれば少し小さいようである。
これで気が済んだので元来た道を戻る。93号線に戻ってすぐに峠を越すと、これでヨセミテと並んで3泊も長居したボルダーも見納めである。ここから少し先からは、128号線に入って既にフリーウェイとなっている36号線に向かって東に進む。緩やかな坂を上って峠を越すと、デンバー市街が見えてくる。今まで通ってきた町とはスケールの違う大都会だ。やがて市街地に入り前方に国内線の空港が見えてくる。このまま行くとフリーウェイの36号線に合流してしまうので、手前で121号線に別れて南下する。高層ビル群ははるかかなたに見えるが、今日のホテルは恐らくあのあたりだろうから、まだ1時間以上はかかるはずだ。女子サッカー決勝戦を開始から自分の部屋で見るのは無理なようだ。後半戦だけでもいいかなと考える。市街地に入ってからは真っ平らなのかと思ったら、傾斜こそ緩いもののアップダウンが多くて時間がかかり、後半戦を見るのも難しく思えて携帯のIモードで試合経過を確認すると、前半1-0で負けている。これはどこか試合をテレビで放映しているレストランを探すが、ファーストフード店ばかりで、こういう所にはテレビは置いていないのでレストランはないかと思ったらデニーズがあった。ここならひょっとしてと思って店内に入ったが、店内監視用のモニターあるだけでテレビ放映はなかった。店内でメニューを渡されると前回のブログでアメリカでは見かけないと書いたばかりのスパゲッティがあるではないか。迷わずそれを注文する。そうかデニーズにはあったのか。でも田舎にはデニーズなんかなかったしな。
スパゲッティ自体は期待した味とは違っていたが、店内に長居している間に試合の方は2対1で負けたことが確認された。まあ負け試合だったからライブで見れなくても良かったかと慰めて南下を続ける。もう急ぐ必要もないので歩道の方をゆっくりと進む。やがて懐かしい40号線と交差する。ロッキーマウンテン国立公園の手前で別れる前に10日近く走った道だ。ここではコフラック通りと名前を変えており、今日のホテルもその道沿いにあるようなので、その通りに沿って東に進路を変える。
段々と家が密集し始めた頃にモーテルが次から次へと現れる。こんなにモーテルがあるんだったらホテルでなくてモーテルにすればよかったかなと後悔する。値段的にはさほど差はないが、ホテルの場合はいちいち自転車を袋から出したり入れたりして運ばなければならないからである。ただモーテルの場合はネットでは予約が困難なようなので、出発日が固定されていて、予め早めに予約しておかないと安心できない場合には利用しずらい面はある。
中心街に近づいて、道が高架に変わったところから、道路の状況が一変し、あの恐怖のフリーウェーの表示が現れる。慌てて戻って別の道を探そうとしたが別の道はないようだ。困っていると、反対側の車線にはコンクリート壁で仕切られた歩道があり、人や自転車が通っている。そこで信号のある横断歩道を渡って反対側に渡り、そのまましばらく行くと高架部分は終わって平地に戻り、両側に歩道のある一般道に変わっている。フリーウェイは気が付かないうちに分岐したのであろうか。アメリカの道というのはフリーウェーと一般道との境目がはっきりしなくて、自転車乗り泣かせの道である。
そんなこんなで時間がかかり、目的のホテルに着いたのは夕方になってしまった。今日中にしなければいけないというわけではないのだが、翌日の列車の乗車券とバウチャーを交換するためにアムトラック鉄道駅に行っておこうと場所を確認するとホテルから1マイルほどなので、これならば歩いても行けるだろうと、市内見物がてらに出かける。実際に出かけてみると、道に迷ったわけでもないのに、思っていたよりも倍くらい多い時間がかかって目的の駅には着いた。だが様子がおかしいのである。駅舎に電気はついているが、まわりを柵で囲まれていて人気がないのである。駅舎は21番通りのウェマッタ通りの交差する場所に引っ越したとあり仰天する。今日来ておいてよかった。当日も多少早めには来るだろうが、こんな表示をみたら大いに動揺するに違いない。全く最後まで楽をさせてくれない旅だ。
今いるのは15番通りと16番通りの間だから21番通りというのは少し歩けばいいだけだが、ウェマッタ通りというのは地図には出ていないのでわからない。まあとにかく21番通りに行ってみるしかないと歩き出す。ところが21番通りに行って新しい駅のことを聞いてみるがわからない。困ったなあと思ってまたさきほどの駅舎のところに戻って近くにたむろしている人に聞いてみると教えてくれた。反対側の方にぐるっと大きく回っていくとあるという。さっそく行ってみると、あたりは大規模な再開発が行われているようで、教えてもらった所にたしかにあった。駅舎には明かりはついていたが、30分ほど前にクローズされたようだ。まあ手続きはできなかったけど、これで明日は問題なく手続きできるだろう。行ったり来たりで3時間のロスである。こんなことなら自転車で来れば良かったと思ったが後の祭りである。帰りはデンバーの繁華街である16番通りを見物しながらホテルに戻った。
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