ロッキー横断成功 続報
8月5日(日)
いよいよ標高差1300メートルに及ぶ峠越えを行ってのロッキー横断の日である。朝、室内で自転車に空気を入れていると、その振動が響いたようで、隣人から壁をたたいて苦情を言われたので、慌てて外で出発の支度を行う。準備も終わりチェックアウトをしに事務所に出向くと鍵が掛かっている。そこでブザーを鳴らしたのだが、その直後に壁に「10時前にチェックアウトするときは、部屋に鍵を置いたままにするように」とあるので、慌てて鍵を部屋に置いて出発する。どうも母国語の場合には注意書きは見た瞬間に理解できるが、外国語の場合は読まないと理解できないようだ。どうも立つ鳥後を濁してとなってしまった。
40号線をそのまま行くのがデンバーへの最短路だが、ロッキーマウンテンを迂回してしまうので、ロッキー横断にはならない。そこで10日近くお世話になった40号線と別れて34号線を行くのだが、その分岐点がわからない。さんざん探し回って、町の入り口手前にあることを発見する。昨日も通ったはずだが、モーテルを探すのに必死で見逃していたようだ。
34号線はしばらくは平坦だが3マイルほど行くといきなりの急登である。約100メートル登ると湖が現れる。それから先は大した登りはなくしばらく行くと国立公園の料金徴収所(自転車の場合は10ドル)があり、そこから先もしばらくは平坦だが、やがて登りとなってくる。といってもさほどの急登ではない。公園内には飲食店はないので、全て自前の物で済ませるしかない。4時過ぎには標高差800メートルを登り切って3000メートルに達する。この調子では最高点には6時過ぎには着くかなと考える。4時半には100メートルほど登って第一の峠に着く。登り返しをしたくないので、大きく下らないことを願っていたら、期待どおりに池のまわりを迂回してまた登りになる。順調に高度を上げて、3300メートルほどに達したとき森林限界を抜けて、これから登るコースの全体が見えてくる。「あそこまで登るのかー」という気持ちと「やってやろうじゃん」という気持ちが交錯する。もちろん後者の方が断然強いのだが
下から見えていたコースをほぼ登り切り、曲り角付近まで来た時に急に不安になる。「あの先にまだ高いところがあるんじゃないか」という不安である。案の定、まだ登りは続いていた。落胆は禁じ得なかったが、よく見ると大した登りではない。もうひと頑張りで6時半に最高地点と思われる所(手持ちの高度計では3515メートル)につき携帯で手を伸ばして自分の写真を撮る。
やったーという達成感とともにこれでもう登らなくいいんだという安堵感が入り交じる。車で来る人にとってはなんの意味もない地点のため、何をしているのだろうといぶかって通過していくようであった。
その後は若干のアップダウンもあったが、緩やかな下りが延々と続いていく。最後の最後で事故にあわないように慎重に降りていく。
だいぶ降りた頃にギアを切り替えた時にギアがからまってしまう。チェーンが切れたらたいへんなので、慎重に直していたら。通りすがりの人が手伝ってくれて間もなく直る。やがて暗くなってきてライトを着けながらの慎重な走りとなる。真っ暗になった頃にエステスパークに着くが2軒あるホテルがいずれも満員である。困ったなと思っていたら、地元の人が、ここはリゾート地なので、町に行けばモーテルがあるということで、道順を教えてくれる。町の方でも最初のモーテルは満員だったが、次に当たったモーテルには泊まれて野宿は避けられ、最良の日に最悪の事態になることは免れた。
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