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2012年8月 5日 (日)

ロッキー横断にリーチ

8月4日(土)

 

朝起きて出発の準備をしていると、ヘルメットの紐が切れかかっているのに気づく。サングラスの折り曲げする部分の金具も壊れてしまった。1月近くのツーリング中に、GPS、カメラ等いろいろと壊れてしまった。人間と自転車本体に異常がないのが救いだ。ヘルメットは布テープか細引きがあれば直せるのだが、あと数日は切れないことを願おう。サングラスは午前中は無くてもいいので、昼食の時にビニールテープで修理しよう。

 

今日からは本格的のロッキー山中に入るので、ヨレヨレになった胸のROKKIES CROSSINGのゼッケンも新しい物に変え、背中に背負うザックにも新たに取り付けて、

 

昨日登り残した所を登り始める。
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朝の元気なうちは、登りもさして苦にならない。峠近くになると何人かのランナーが駆け下りてくる。すぐ上に大勢のランナーがたむろしていたので、多分駅伝をやっているのだろう(リレーという表示があった)。間もなく峠と思われる所に着いたが、その後もしばらくアップダウンが続き、本当の峠と思われる所からダウンヒルが始まる。大勢のランナーが苦しそうに登ってくる。中には歩いている人もいる。自分もランニングをやっている(いた?)だけに、その苦しさはよくわかる。英語でなんていうのかわからなかったので、日本語で「頑張れ!」と激励したら「サンキュー」と言われた。こんな長い距離のレースの逆送というのも、自分のランニング経験でも初めてである。ただ私が走行している右側の路肩の方が左側より広いせいか、ランナーは皆、私が走行している路肩の方を走ってくるので、そこそこスピードの出ている下りは、ランナーとすれ違うたびに衝突しないように後方の車に注意しながら車道の方に出なければならないのが煩わしい。

 

レースとは途中で道が分かれて、また静かになった道をクレムリングを目指すことになる。道が平らになってきたなと思ったら、右手の方を貨物列車が通過していくのが見える。私が登った峠道を大きく迂回してクレムリング方面に行くのであろう。この鉄道のことは観光情報にもないので、多分貨物専用線なだろうが、西部開拓時代には旅客用でもあったのだろう。インディアンに列車が襲撃される映画のシーンが思い出される。

 

クレムリングもそこそこの町であったが、クレイグなどよりは一回り小さい規模である。レストランに入って注文するのだが、毎回サンドイッチやハンバーガーというのも味気ないので、ソルトレイクを出発した夜に泊まったロッジでアピなんとかという種類の中から適当に注文したら、結構ボリュームがあるものが出てきたのを思い出し、よしそれで行こうとメニューを見る。多分素材と料理法が書いてあるのだろうがチンプンカンプン。かろうじてエビという単語がわかった料理を注文する。値段もそこそこ安い。待っている間にサングラスを黒のビニールテープで補修する。完璧な出来映えである。このテープは給水パイプの補修に続き、今回は大活躍である。

 

やがて小さなガラス容器に入れられたデザートのようなものが運ばれてくる。誰が注文したんだろうと思ってたら私のテーブルに置かれる。見ればガラスの容器の上部の縁にエビがずらりと並べてある。これが自分の注文した料理かと唖然とする。

 

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すぐに追加注文したかったが、そんなことをしたら、こちらの心を覗かれて馬鹿にされるだろうと思って止め、さも満足したように食べてチップもはずんで店を出た。その後、マーケットに入ってパンを買い求め、空腹を満たしたのは勿論である。

 

時間は2時半でまだ外は日差しが強い。マーケットの裏側が日陰になっていたので、日除けを兼ねてタイヤに空気を入れる。後輪の方は荷物が重くてそのままではとても入らないので、横倒しにして負荷のかからない状態で入れる。携帯用の空気入れではなかなかパンパンには出来ないが、前輪後輪ともにそこそこ入ったと思ったので出発する。ところが走り出してすぐに後輪の方がガタガタする。最初はパンクしたのかと思い、5本も用意した予備のチューブの出番かと思ったが、良く考えてみると、今まで問題なく走っていたのが、空気を入れた途端にパンクするというのも妙である。多分、空気入れを差し込んだ時に空気がほとんど抜けてしまいゼロに近い状態から入れたため、マーケットで水4リッターとソーダ水2本計5キロの重量増に耐えかねたのだろうと考え、空気を入れ直そうと思ったが、この強い日差しの下で作業をする気にはなれず、しばらくはガタガタ状態のまま走り、しばらく走行して見つけた表示板の裏が陰になっていたので、そこで自転車を横倒しして後輪に空気を入れることにした。今度は時間をかけて、これでもかというほど空気を入れたので、その後は大丈夫のようであった。

 

道は鉄道とその名もコロラド川と並行して走るようになったので、また比較的フラットになってくる。ただ鉄道があくまでフラットなのに対して、道路の方は多少はアップダウンが出てくる。どうして鉄道のようにフラットに出来ないのかと文句を言いたくなる。緩い登りでも時速10キロ以下でしか走れない。そのうちに左側の足が何カ所か痒くなってくる。さきほど長時間空気を入れていた時に左膝を立てていたので、その時に指されたのだろう。アメリカに来て以来、蚊を見かけることが全くなく、虫除けも使わず仕舞いで、この国は蚊のいない国かと思ったが、いる所にはいるものである。ところが今度は右側の手足も痒くなってくる。気がつけば、蚊だかブヨだかに取り囲まれている。10キロくらいのスピードだと動かしている足の部分でも平気で刺してくる。下りで30キロ程度出ていれば刺されないのだろうが、今日は無理だ。もう少しひどければ、防虫ネットに雨具スパッツの完全武装をしようかと思ったがなんとか耐えられそうだ。

 

道はホットなんとかスプリングス間近の渓谷地帯に入り、鉄道のすぐ横を走るようになる。すると後ろの方から汽笛が聞こえてくる。汽笛は段々と大きくなって、100両近い貨車が現れる。先頭と中間に各2両、末尾にも1両の機関車をつけてやってくる。こちらもスピードアップしたので暫くは併走する。鉄道ファンが見たら涎が出そうな壮観である。やがて列車には引き離されたが、間もなくなんとか(PHの部分のの読み方がわからない)スプリングズの町に入る。今日は40号線と別れた北側の山中でキャンプするつもりであったが、クレイグのとんでもないモーテルの御陰で、随分シャワーを浴びていないことを思い出して2軒あるモーテルに行ってみたが、いずれも満室であった。土曜日でこの時間では無理もないだろう。この先10マイル(16キロ)先のグランビーまで行ってみることにする。

 

途中でギアを切り替えていたらチェーンがおかしくなってくる。チェーンが切れたりでもしたら万事休すなので、すぐにチェックを始める。その時、カラフルな自転車乗りの集団が後ろから通り過ぎて行く。私の背中のゼッケンにはなんの反応もない。きっと私のようなトラベラーとは異次元の世界なのだろう。

 

チェーンの方は手で直せるレベルだったので、そのまま走行してグランビーの町に入る。入り口にモーテルがあったが、案の定、満室で、町中にあるかなりの数のモーテルも全て満室であった。この分では、この少し先に2カ所あるキャンプ場も満員だろうから、またキャンプ適地を探すしかなうかなと町はずれまて来たが、道は南の方に向かってしまい、北に向かう道が見つからない。そこで町に逆戻りしたら、先ほどは見落としていた空き室有りのモーテルを見つける。早速、受付をして自分の部屋に向かったところ、空き室なしの表示に変わっていたので、運がよかったといえる。

 

部屋に入ると、トラウマになってしまったのかシャワーとカギのチェックを始める。問題はなかったし、ネットも回線速度は遅いながら一応通じるので安心する。まわりのレストランはもう閉店となっているので、酒とつまみを買って、酒を飲みながらブログ書きを始める。

 

明日は今回の最高地点を越えてロッキーマウンテン国立公園に入り、高橋尚子らの高地トレーニングで有名なボルダー(そこからゴールのデンバーまでは数時間の下りで到達可能)に下ることも可能な見込みだが、ここ4日間、毎日500メートルほどの峠を越えながらコンスタントに100キロ以上走行するという頑張りをした御陰で、行程の遅れも取り戻して三日間の予備日を持っている状態になったので、ロッキーマウンテン国立公園内でホテルまたはキャンプが可能であれば1泊しておこうと思っている。

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