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2013年7月30日 (火)

鉄道の旅

鉄道の旅
今朝の予約してある列車は7時発と早いので乗り過ごしてはたいへんと5時に起床して宿を出ようとしたら、主人が昨日書いた宿帳とは別のノートにビザ番号その他たくさんの事項を書けという。そんなことは昨日言っておいてほしかった。

 

外に出て、通りかかった老年(といっても自分より若いかもしれないが)のサイクラーをよびとめる。駅までいくらかと聞くと20ルピーだという。一瞬耳を疑った。昨日はもう少し先までとは言え、半値にまけさせて100ルピーも払ったからである。この国の貨幣価値がわからなくなってきた。田舎町では為替レートの10倍くらいはあるのかもしれない。それにしてもただ働きみたいなことをし続けてこの人はもうすぐ一生を終えるのだろうかとしんみりと思ってしまう。 

 

駅には朝も早いというのにたくさんの人が寝ている。ホームレスであろうか。ホームに停車している列車を見ると、AC車は窓が開かないよぅになっているが、非AC車は窓には不正乗車防止用の柵があって、まるで監獄のようだ。超満員の車内からは髭ぼうぼうのヒマラヤの聖者のような人が出てくる。インドに来ているんだなあという感を深くする。
自分の乗る列車の発車番線はわかるが、乗車位置は直前まではわからず、乗客名簿も始発駅ではないので張り出されない(列車自体に張られていることが後でわかった)。発車直前になっても乗車位置が表示されないので変だと思い、表示されないけれど遅れがでているのかなと思っていたら、定刻に入ってきた列車は隣のホームに入っていきそちらのホームの乗車位置の表示では私はだいぶ前まで行かなけれいけないことがわかり、少し走る。ホーム番線の変更の表示はないままだが、この程度は変更のうちに入らないのだろう。
車内に入ると私の席には他人が座っている。私の切符を見せると、よくチェックした上で席を立っていく。悪びれた所は全くなく、空いている別の席に平然とすわっている。まあ日本にもこういう輩はいるけどね

 

ニューデリー駅に20分遅れで継ぎ、メインバザールの先日も行った日本食を出す店で遅い朝食をとる。しばらくは日本食は食べられないだろうからとえび天定食を注文する。しばらくすると経営者の奥さんの日本人がやってきて、エビか品切れだという。仕方ないので野菜天定食に変更したが、図らずもまたベジタリアンになってしまった。

 

食後はオールドデリー駅に直行すると時間があまりすぎるのて、ラールキルによっていくことにする。歩いても行けない距離でもないが、暑いのでオートリクシャでいく。160ルピーというのを100ルピーにまけさせ、私もネパールと間違えられるなと楽しく乗っていた。ところが、ニューデリーからオールドデリーに入るころから値上げ交渉を行いだした。やれ渋滞している。なんキロも走っている。ガソリンをどれだけ使ったなどと言って500ルピーを要求する。どうも最初からそのつもりだったらしい。私の方は「お前が100ルピーと言ったんだ」の一点張りで平行線のままだ。ただラールキル周辺の渋滞を考えると100ルビーでは可哀想そうなので、降りるときに、100ルビーはニューデリーの分、もう100ルビーはオールドデリーの分と言って200ルビーを渡す。彼はまだ500ルピーだとわめいていたが、私が立ち去ると追ってはこなかった。肝心のラールキルの方は入場に際して長蛇の列となっており、この暑さでは並ぶ気にならない。そこでラールキルは昔来たこ
ともあるので、今回は周遊旅行が終わった後に、まだ見ていないラールキルで夜行われる光と音のショーを見ればいいやという気になり、ラールキルを後にしてオールドデリー駅まで歩いていく。ニューデリーと比べると、道も狭く店も小さく、庶民の生活が伝わってくる町だ。
オールドデリー駅にはヒンズー教の最大聖地であるベナレス(現地ではバーラナーシーと呼ぶそうなので、以下はそう表記する)行きの夜行列車の発車2時間に着いたので、構内にあるマックで時間潰しをしてから自分の乗る列車の発車番線に向かった。跨線橋からホームに降りるところにはそのホームから発車する列車の情報が表示されていたが、多分隣のホームの分が表示されていたのを同じホームのものと誤認し、自分の乗る列車は次の次だと勘違いしてしまった。そのため、目の前に止まっている列車には乗ろうともせず、その列車が出ていった後の次の列車を待っ始末である。出発時間が近づいても一向に「前の」列車が発車しないので、多分遅れているんだろうと思って、食料を買いたすために跨線橋を渡ってメインホームに移動し、用を終えて先ほどのホームに降りる階段の上に戻ってきたときは、出発時間を2分過ぎていた。その時ふとホームの列車表示を見ると、乗る予定の列車のものしかなく、「前の」列車の表示はない。その時ピーンときた。ホームに止まってい
る列車が自分の乗る列車だ!自分の乗る車両の位置は予め調べてあってだいたいはわかっていたので、そちらに向かって走るとすぐに見つかり、乗車口に張り出してある乗客名簿に自分の名前もあった、これで間違いないと列車に飛び乗ったのと列車が走り出すのはほとんど同時であった。ちょっとした思い違いから、すんでのところで、2時間も前から待って列車に乗り損なうというドジを踏むところだった。胸を撫で下ろして自分の席に向かうと、他人がすわっている。切符を見せるとすぐに席を代わってくれたが、マトゥラーからの帰りの時もそうだったように、席が空いてれば座るというのは、こちらでは常識らしい。まあその方が合理的であると言えなくもないが
次の駅では予約なしで座っていた人たちもいっせいに降りて、代わって親子三代の女性組が乗り込んできた。同一区画の寝台の客が怪しい連中でなくてほっとしたが、先方にとっては変な外人と一緒で迷惑だったかも知れない。
バーラナーシーまでの長い々々夜行列車の旅が始まる

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