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2013年7月25日 (木)

BC到着

 

 

 

今日の行程はBC4900メートルまでの標高差550メートルで予定表では5~6時間となっているが、昨日の例から3時間もかからないだろうとタカをくくる。

 

今日は調子がよくガイドのペースにもついて行ける。出発する時には豆粒のように見えていた先行パーティーにもじきに追いついてしまう。ここまでの登高速度は1時間で350メートル!である。4500メートルを越える高さでのこの速度は8000メートルを無酸素で登った5年前でも出せなかったと思うし、今じゃ平地でも無理かもしれないのに何を血迷ってしまったのだろう。そんなわけで何と1時間30分でBC到着である。早く着き過ぎて時間を持て余したので、BCから150メートルくらい上部の峠まで高所順応を兼ねて上がってみる。

 

峠からはBCでは見えないストックカンリの大岩壁が真正面に望めてなかなか迫力のある眺めである(もっとも我々が登るのは左側から回り込んだ稜線からであるが)

 

Photo_10

 

その時は明日は休息の予定であるが、明日登ってしまって早くレーに戻りたいという気持ちがふと湧き起こって、ガイドに明日登頂したいと言うと、明日は休息日だと反対される。ここで言い争っても仕方ないので、BCに降りてからガイドを言いくるめことにして1時間くらい留まって高所順応を行うことにする。

 

レーに早く戻りたくなったのはアルコールの禁断症状が出たわけではなく(1週間近くの断酒なんぞは一昨年にハンテングリに行って以来であるが)、現代人の悲しい性であるが、ネットや携帯の環境から長期間隔絶されることに不安を感じたからである。ただ良く考えてみると、早く登頂を済ませて下山しても、ストック村からレーまでの交通手段確保の有無が不明であるし、仮にあるとしても、シーズン中のレーでの予定外の宿泊の可能性は乏しいことに気がついた。まあ仕事の段取りは整えて出かけてきたのだし、恐らく二度と来れないであろうラダックの山中で終日のんびりできるのは最高の贅沢なんだと思い直し、予定どおり明日は休息日とすることにした。その場合でも、登頂の予備日は二日あるのだから、晴天続きのこの時期、高所順化が一層進んだ状態で登頂できなくなることは、ほとんど考えられない。

 

11時にBCに向けて下降すると、コックはもう到着していた。しばらくして昼食となり、メニューはヌードルと野菜炒めにツナのつけ合わせである。これで自分がベジタリアンだと思われていないことは判明したが、食いたいのはもっと歯ごたえのある肉なんじゃ!帰国したらインドでは絶対食えないビフテキをたらふく食ってやろう。食い物の恨みは恐ろしいんだから!?

 

食後の半日と明日1日は時間がたっぷりあるが、ブログの原稿書き(PDAのSDカードに書き込んだものをレーに降りてからPCで読み込んでブログにアップ予定)と読書(因みに今読んでいるのは猪瀬東京都知事が20数年前に書いた「ミカドの肖像」で、かなり読みごたえがあるので暇をつぶすにはもってこいである)で退屈はせずにすみそうだ。本当はなにもせずにボケーとしているのが、いいのかもしれないが、生まれつきの貧乏症は死ぬまで治りそうもないようだ。

 

日が陰ってテントの中で読書するには暗くなってきたので外に出て見ると、テントの多さにびっくりする。まるで涸沢のテント村である。ただ涸沢と違うのは荷物運搬用の馬がたくさんいてテントの間を歩き回っていることである。中には張り綱を引っ掛けられて倒されているテントもあった。多分夜中にはどこかに連れて行かれるのだろうが、首に鈴をつけてゴロンゴロンされたのでは眠れたものではない。まあドンキーがいなかっただけでも幸いである。なぜなら愛らしい風貌とは裏腹に、この世のものとも思えない無気味な声で鳴くからである。

 

Photo_13

夕食ではまたもやベジタリアンであった。四本足とは言わないまでも二本足でもいいから足のある動物の肉を食いたいものである。もっともクーラーボックスでもない限り、生肉は持参できないだろう。一昨年のハンテングリの高所キャンプでハムの塊をかじったのも侘びしかったが。ただ今晩はラダックに来て以来、ずっと食べたいと思っていたモモ(チベットを中心に食べられているギョウザの一種)が出てきたので二重丸としておこう。

 

明日は休息日なので、早寝する必要はないのだが、外にやることもないので、早寝するしかないか

 

 

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