レーからストック村へ
レーに来たら是非行ってみたかったのが旧王宮である。本場チベット首都のラサにある有名なポタラ宮もレー王宮を模倣したと云われている。
今日は午前中がフリーなので朝食後に行くのが好都合なのだが、登山エージェントの人が昨夜も外出中に訪ねてきてだいぶ待たしてしまったことがあり、午前中にまた訪ねてくるとまずいので、朝食前に行ってこようと6時に出発する。
今回泊まっているホテルはメインバザールからは2キロほど離れた不便な場所で、昨日はメインバザールを探して右往左往したが、今日は勝手がわかっているので、迷うことなくメインバザールを目指し、そこを通り越して人家の間を縫うように急斜面を登って王宮に着く。ところが入り口にはカギがかかって入れない。ガイドブックには7時から開場と書いてあり、受付にも日の出から日没までオープンと書いてあるにもかかわらず、7時半になっても係員はおろか他の観光客も誰もいない。狐につままれたような気分であったが、下のゴンパ(僧院のこと)には人の気配がしたので、見物がてらに行って聞いてみると、8時に開くとのことであった。さっそく入り口に戻って待っていると、8時ちょっと前に受付の小屋に人が入って来る。受付が始まるのかと思いきや、その人はどこかに消えてしまい、しばらくすると、別の人が入り口の方に向かい、カギを開けて中に入って行ってしまう。あの人は一体だれなのかと思うが、相変わらず受付には誰もいないので、入場料も払わずに入ってしまう。
中は薄暗くて特に見るべきものもないようだ。いくつかの部屋にはカギがかかっていたので、貴重品はその中に閉まっているのかもしれない。途中で作業かなにかしているような人に会ったのであいさつをしたが、もしかしたら、今は修復中かなにかで一般公開はしていないのかもしれない。
上の方の階まで行ってレーの市街地を一望してからホテルに戻ったが、一応は中に入れたので満足した。
ホテルで襲い朝食を食べた後はエージェントの人もやってこないので時間をもてあましたが、ホテルの中庭のテラスのとう椅子にもたれてブログを書いたり登山の資料を眺めたりしながらくつろいで過ごした。
定刻2時にエージェントの車が迎えに来て一路ストック村に向かう。目標の山ストックカンリが前方に見えてきて登高意欲が高まる。1時間程度でストック村に着くが、そこから30分ほど下ったところにあるストック王宮にガイドと一緒に行ってみる。こちらは今朝行ったレー王宮と違って、ミュージアムを兼ねているので、宗教用具、仏画、生活用具などが展示してあって興味深かったが、撮影禁止でお見せできないのが残念である。帰りは登りとなってガイドの早いペースに着いて行くのがたいへんだったが、ガイドが王宮行きに私を誘ったのは、恐らく私の脚力と高所順応具合をチェックする目的だったのだろうと推察される。呼吸が乱れることもなくガイドのペースについてこられたので、まずは試験合格か?
出発点に戻ると、少し上にテントが張られていた。しばらく休んでいるとテントの前にティーが運ばれてくる。景色を眺めながらティーを飲むのは遠征キャラバンの醍醐味である。
夕食は8時前とやや遅めであったが、最初にでてきたのはトマトスープとチャパティでこれだけでも結構ボリュームがあり、今日はたいして運動してないし、これだけでもいいかなと思ったら、ご飯とともにお数が三品運ばれてくる。今日はベジタリアンだったけど、肉けがなくても全然物足りないという気がしなかった。最後は果物の缶詰のデザートであった。ひょっとしてインドに来てからの最高のご馳走だったかもしれない。ただ贅沢を云わせてもらえば一人で食べるのはやはり寂しい。1日2日ならばともかく、1週間もずっとなんだから、同行者がいればもっと楽しい食事ができただろに・・・
夕食が終わってテントに戻る時に対岸の下の方を見ると、昨日ケーロンからレーに向かう時に通った道路に沿って散在する人家の明りがまたたいている。山からの麓の人家の明りはいつ見ても特別なものである。
こうして遠征1日目の夜は暮れていった。
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