旅の終わり
長かった旅も今日が最終日だ。病気その他のトラブルもなく、ほぼ予定通りに行動できたことをまずは喜びたい。
今日は博物館に行くくらいしか予定がないので10時過ぎにゆっくりとホテルを出る。
博物館に行く前にヤムナ川を見に行く。デリー市の東部を流れる川で、その流域には今回出かけたマトゥラやアグラもあり、ベナレスの手前でガンジス川に合流している。私の持っている古いガイドブックではメトロは川の手前で終わっているが、今は川を渡ってだいぶ先の方まで延びている。そこで川を渡った最初の駅まで行ってみることにする。帰りは歩いて川をわたりたかっのだが、道路まではかなり離れていて、歩いて川を渡ると汗をかいてしまいそうだが、チェックアウトを済ませていてシャワーを浴びられないので、汗まみれのまま飛行機に乗るわけにもいかず、改札口を出ずにUターンして博物館の最寄りの駅に向かった。
博物館は休館等で空振りが続いたが、最終日になって念願かなって訪問することができた。国立博物館はかなり展示が充実しており、インダス文明や仏教関係が特に充実していた。
その後は近くにある高級土産物店に寄ったが、土産はほとんど買ってあるので、涼みにいったようなものである。ひとつだけ気に入った品物があったが、受付が混んでいたし、まだ外は暑かったので、もう少し日が落ちてから買って外に出ようとしばらくは椅子に腰かけて休んで、四時過ぎに受付も空いてきたので商品を持って受付に行くとグロースと言われる。ガイドブックには7時までと書いてあるのに…。近くにひしめく小さな店を覗いて同じ品物があったら、定価販売の先ほどの店の価格を上限として値引き交渉をしようと思ったが、同じ品物は売っていなかった。ついていない時はこんなものである。
その後にインド随一の高級品店街が取り囲むコンノート広場に向かい、地元のお金持ちがお気に入りというカレー屋に行き、インド最後のカレーとしてフィッシュカレーを注文する。さすがに人気店だけあって味は絶品であった。辛すぎることはなく、まろやかな味で、インドに来て食べた食事の中ではピカ一である。これでカレーにいい印象を持って帰れそうである。
コンノート広場
その後は数えきれないほど利用した地下鉄でホテルに戻り、タクシーを呼んでもらう。フライトは真夜中であるが、ホテルにじっとしていてもしょうがないので早めに空港に行くことにした。
インドよ!また来る日まで、しばしの別れだ。
今回のインドの旅を思い付いたのは四年前に中国シルクロードからパキスタン、インド、ネパールを経てチベットに至る大周遊旅行を予定していたのですが、出発直前に自転車レースでの鎖骨骨折により旅行は中止となった時のインド内のコースにほぼ該当するもので、宿題を果たさねばとずっと思っていたからです。同コース内には釈迦にまつわる仏跡が多数ある外、ヒンズー経の最大の聖地であるベナレスもありますが、ヒンズーと仏教は敵対しながらも親戚のようなところもありますので、併せて立ち寄ることにしました。
たまたま今年は私の父の33回忌、来年が母の13回忌にあたり、母は熱心な仏教徒でしたから仏跡を巡礼してくることは両親に対する供養にもなると考えて計画をたてました。それとともに自分の人生も残り少なくなって死というものを否応なく自分のものとして考えなければいけない年になり、仏跡を巡礼することにより、釈迦の教えが少しでも理解できればという願いがありました。煩悩の塊のような自分は解脱には程遠いですが、この旅を通じて少しでも近寄れたならば幸いです。
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コメント
山の記録は丁寧に読みましたが、観光はざっとです。
しかし最後の8行は大変感銘を受けました。
いい旅をされましたね。敬服します。
投稿: nhkk | 2013年8月22日 (木) 00時19分
拙い文章をお読みいただきましてありがとうございました。
旅をしている間は毎日が一生懸命であまり物を考える余裕がありませんが、旅を終えていろいろ思い返してみると、人生というものもひとつの旅なんだなという感を深くします。
投稿: vibram | 2013年8月22日 (木) 09時41分