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2014年6月 7日 (土)

白峰南嶺南部縦走断念

所ノ沢越の分岐点を捜すために前日の夕方に頂上近くまで戻ってテントを張ったのであるが、夜半に雨足が激しくなり、テントの中はプール、寝袋は水浸し、マッチの火もつきにくくなっているのに対して、所ノ沢越を目指すと最低でも1泊以上必要になるし、この二日間の雨中の行動で体力が弱っているところに、風雨の激しい主稜線を進めば低体温症にもなりかねないので、縦走を断念することとし、初日に登ったコースを降りることとした。コース自体はよくわかっているので心強いが、ただひとつ心配なのは初日に渡った沢がこの大雨で増水して果たして渡れるかということである。最悪の場合は救助隊のヘリを使えばよいのだし、山岳遭難保険でヘリ代くらいでるだろうと思ったら気が楽になった。
沢までの下降は標高差1600メートル近くあり、下りなら4時間程度の行程である。

沢に近づくと水流が見えてくるが、遠目でも行きの時と様変わりの激流である。沢まで下りきって間近に見ると渡渉することなど考えられない。

ヘリを呼ぶしかないかと思ったときに、流木を渡すことを思い付いた。沢幅はさほどないので10数メートルの流木があればなんとかなりそうである。適当な流木と沢幅の狭い所を探し回っていると、対岸に二人の登山者がいるのに気づいた。今日、下から登って来たが、ここで渡れずに立往生しているらしい。私に気づいたかどうかはわからないが、あきらめて戻ってしまう。向こう岸にいた彼らが無性にうらやましかった。

さーてこれからである。両岸の浅瀬に岩がつきでている所を見つける。岩の距離は7〜8メートルなので10メートルくらいの流木を見つけてなんとか渡す。手前の流木には石をいっぱい乗せて、動いて岩から外れないようにする。向こう岸の岩は高さがあるので外れることはあるまい。試しに空身で渡ってみる。真ん中あたりまで来ると、水は胸のあたりまで達し、激しい水流で流されそうになる。向こう岸まで行ってみるつもりだったが、そうするとまた激流を渡らなければならなくなるので引き返すことにした。これで渡れる目処はついたが、もっと安全に渡れる所ないかと下流の方を物色する。結局、先程の地点がベストであるという結論に達し、荷物をかついで流木を両手で持って渡り始める。流れの早い箇所をいかにスピーディーに渡りきるかがポイントだということを頭に叩き込んだら不思議に恐怖心もなく落ち着いた気分であった。集中した時の気分は難しいクライミングする時と共通しているようだ。
白峰南嶺南部縦走断念激流に飲み込まれそうな流木を渡る

一番の激流を過ぎると向こう岸がどんどん近づいてくる。向こう岸の浅瀬にある岩はつるつるしていて掴みづらい。ここでコケたら元の木阿弥なので、スローパーを登る要領で慎重に岩の上に這い上がる。これで無事に対岸に渡れた。どうも私の山行は最後に試練が待ち構えていることが多い。でも後は3時間ばかり歩けばバス停に着き、一件落着となるはずだった。だが試練はまだ終わってなかった。バス停に着き、最終バスの時間になっても一向にバスは来ないのだ。バス会社に電話して聞いてみると、一定以上の雨量があると、道路は通行止めとなるのでバスは運休になったとのことである。ここから駅までは20キロくらいあるので、水を吸って重たくなった荷物を背負って5時間以上歩かなければならないのか?ガ〜ンである。でも待てよ。通行止めにしては車が通っているではないか。ダメもとで近くのタクシー会社を携帯のGoogleマップで探しだして確認すると、通行止めは先程解除されたので、すぐに迎えに行くとのことであった。ヤレヤレこれで今日中に家に帰れるか。辛
いことがたくさんあった山行だが、こんな悪天続きの日に山へ行ったんだから、まあ自業自得か?

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