富良野
前から計画していた石狩川の河口から水源までの完全遡行を実施するに際して、ついでに日本有数の岩場である「赤岩青巌峡」も登ってしまおうという贅沢なプランを立ててみた。
ただ遡行は1人なので日程は自由だが、クライミングは相手のあることなので、日程の自由がききにくい。そこで「赤岩青巌峡」を先に登っておいた方がなにかと好都合である。となると、河口から水源まで遡行するよりも水源から河口まで下降した方が効率的なので、遡行よりも価値が落ちるが下降をすることとした。
次に水源の山をどこにするかも検討してみた。石狩川の水源の山としては石狩岳が最も自然だが、石狩川沿いには一般コースはないし、沢登りとなると、雪が溶けてからでないと無理なようである。そこで本流ではないが、支流の山としてトムラウシを登ることにした。こちらの山ならば、百名山でもあるので百名山全山登頂を狙っている自分としては好都合である。
計画実施を前に「赤岩青巌峡」を一緒に登るつもりだった人が急に肩を壊して登れなくなるというアクシデントが発生した。そこで急遽、前から富良野のラベンダーを見たがっていた家内を同行させることにした。ところが、この時期、富良野の宿は直前では空きが全くなく、やむを得ず、少し割高ではあるが、手前のトマムに泊まることにした。このことが、後でトラブルの原因になるとは神のみぞ知るであった。
7月としては最大級の台風が接近中であったが、かろうじて大洗から苫小牧に向けて出航した(翌日からは欠航が続くようであった)。自分1人ならば雑魚寝で構わないのだが、家内同伴ともなるとそういうわけにもいかず、ワンランク上のカジュアルクラス(ベッド付きの相部屋)を予約した。ただ台風によるキャンセルがあったのか12人用の部屋が貸し切りになったことはラッキーであった。
翌日の午後に苫小牧で下船し、JRでトマムに向かいホテルに入る。特別高級な部屋を予約したわけではないのに、二部屋分の広さがあってベッドは4つ、トイレも二つあるという豪華なものである。このスタイルがこのホテルでは当たり前なのか、たまたま四人部屋が空いてたためなのかはわからずしまいであった。
寝る前に念のために明日のトマム駅までの送迎バスの申し込みをしようとフロントに出向いて衝撃的に事実に出会う。なんと明日のトマムはJRが全面的に運休になるということである。私の場合は自転車を使えばなんとでもなるが、明日の夕方のフライトで帰る家内の場合はどうすべきかは即座には答えがでなかったので、明日のJRの運行が確定した段階で対応を考えることにした。
翌朝早く目覚めると雲ひとつない青空である。これでJRは動くと思いきや、テレビをつけると、運休決定の文字が飛び込んできて眼を疑う。台風が北海道東部を通過するので、帯広や釧路が影響を受けるからということなのだろうが、JR北海道は不祥事続きで神経質になっているということもあるのだろう。
こうなった以上は、家内は多少割高であってもタクシーで富良野まで脱出せざるをえないと考えて、フロントにタクシー会社の電話番号を聞いたところ、旭山動物園までのバスも8時過ぎにあることがわかる。観光バスで最後はトマムに戻るものだが、運転手との交渉で途中離脱もできないことはないはずなので、これを利用すれば、タクシーよりははるかに安く富良野に移動できるので、これを利用することにした。
家内のバスを見送ってから自分の移動に移る。2度と泊まる機会はないホテルで最終チェックアウトまでは2時間を余していたが、気が急くので、出発準備に移る。今日は富良野まではJRで移動するつもりだったので、コースについては全然調べてない。ナビで調べると、JR沿いに新得経由でいくよりも、幾寅峠を越えて行く方が近いらしい。峠の登りがどのくらいあるかはわからないが、全体の距離が70キロ以下たからなんとかなるだろう。だが、途中に9キロの砂利道があって結構苦労した。おまけに砂利道の砂が悪さをしてチェーンの調子がおかしくなってしまい散々だった。
峠を下り、幾寅におりてから家内に連絡すると、観光バスからは離脱でき、富良野プリンスホテルの前で富良野循環バスを待っているとのこと。そこで、ラベンダー畑で有名な富田ファームで落ち合うことにして前進する。ところが、富良野までは意外と時間がかかってしまい、富良野駅着は3時20分となってしまったので、さらに10キロ北方の富田ファームで合流するのは無理と判断して、循環バスで富良野に戻ってきてもらう。
富良野駅で家内と合流してから一緒に早めの夕食を食べ、家内は旭川空港行きのバスに乗り込み、私は今夜のキャンプ予定地の上富良野を目指す。途中、富田ファームに立ち寄り、とりあえず観光してキャンプ場に向かう。明日は、100名山のひとつ十勝岳を登る予定だ。
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コメント
とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
投稿: 履歴書の書き方 | 2014年8月10日 (日) 09時07分