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2016年2月 1日 (月)

引き続き北海道乗り鉄の旅

富良野から始発で滝川に向かう。駅前にはコンビニがなく、通りのコンビニまで往復して弁当を買ってくるのに30分近くかかってしまったが、時間潰しにはちょうどよかった。滝川まで来れば今日中に余裕をもって帰れるのであるが、学園線、室蘭本線北半分乗車と夕張立ち寄りのためにもう1日道央をうろつくことにしている。

滝川で札幌行きの特急を待っていると5分遅れのアナウンスがあった。これはマズイ。札幌で乗り換えようとしている札沼線(通称、学園線)とは5分しか乗り継ぎ時間がなく、遅れてくる特急を待ってくれる保証はないからである。なにしろ学園線というのは途中まではともかくも、最後の区間は1日3本しか運行されず、乗り継ぎ失敗は致命的になってしまうのだ。ここでハッと閃いたのは学園線の終点の新十津川はここ滝川からは四キロぐらいしか離れていないのでタクシーで移動して学園線を逆方向から札幌に向かえないかということで、携帯で検索してみると、ちょうど40分くらい後に学園線の始発があることがわかり、これはラッキーとタクシーで新十津川に向かう。

両駅間の距離は短いにもかかわらず、滝川の人が新十津川駅を利用することはほとんどないようで、タクシーの運転手も行ったことがないと言って電話で道を聞いていた。

新十津川駅に着くと、そこは超ローカルな駅で、待合室に置かれてあるノートの記述によると連日鉄ちゃんが訪問している「聖地」のようなところらしい。しかも3月のダイヤ改正後は1日一本に減便されるとのことで今回来ることができてラッキーであった。

折り返しの電車がやってきて数人の乗客が降りたが、全員が鉄ちゃんのようであった。地元の子供たちが歓迎の出迎えをして絵はがきを渡していたが、全員がそのまま折り返しの列車に乗ってしまった。
引き続き北海道乗り鉄の旅

学園線自体は順調に運行し、札幌駅では2時間以上の待ち時間となるので、サッポロラーメンを食べて土産を買ってから時間が余れば完成間近であろう雪まつりでも見に行こうかなと思っていたら、終点の札幌近くになって千歳付近で雪のために電車が止まっているというアナウンスがあった。自分は反対方向の岩見沢に向かうのだからと関係ないとタカをくくっていたが、札幌駅構内の表示では岩見沢方面の列車が軒並み運休となっており、発車間近の宗谷行きの特急には運休の表示はなかった。そこで考えもせずに宗谷行きに乗り込んだのだが、他の列車の運休の影響か、指定席車両のデッキも人でいっぱいである。

よく考えれば、運休の列車は千歳空港からの直通のために運休になったものだろうから、札幌始発の列車だったら、後の列車でも動いていたかもしれない。

列車が岩見沢に近づくにつれて雪が激しくなってくる。岩見沢で下車すると、列車の遅れがなくても数分の差で乗れないはずの室蘭行きの列車が隣のホームで止まっている。ラッキーと乗り込んだが、悪天のためか一向に動き出す気配がない。ただ発車時間がわからないので駅の外に出るわけにもいかず、やむをえないので今日の昼食は知床ハイキング用に買った非常食となってしまった(サッポロラーメンを食いたかった!)。非常食がこんな所で役に立つとは思わなかったが、雪山のビバークで食べることを思えば、暖かい車内は天国である。

これからの行程が全く読めなくなってしまったが、まあなるようにしかならないと腹をくくる。まもなく列車が動き出したが、南に向かうに従って雪も止み、晴れ間も出てきたので希望がもてるようになってきた。
列車は順調に進み、追分で下車するが、ここからの夕張行き列車は予定よりも一本早いのに乗れることとなった。岩見沢での雪のためによる室蘭本線の遅れが、結果的にはプラスに働いたようで、こんなこともあるんだと喜んだ。

追分駅で1時間ほど待ってから夕張行きに乗り込む。夕張に近づくにつれて、また雪が降りだしてきた。夕張駅前はコンビニ一軒と屋台村がある以外はお店もなく閑散としていたが、スキー客向けの大きなリゾートホテルが場違いのように聳えていた。

日没前の時間でまだ明るかったので市役所に向かって「幹線」道路を歩いてみる。夕張市の財政破綻が注目されてから久しいが、これは夕張市だけの問題でなく、他の地方都市の多くが今後迎えざるをえない姿を先取りしたものと言われている。市財政破綻の一番大きな影響は行政サービスの低下だろうが、こればかりは通りすがりの旅行者にはなかなかわかりづらいところであろう。市役所のまわりをまわったかぎりではこれといった変わった点は見られない。市役所の中に入ってみようと思ったが、閉庁間近のためか市民は誰もおらず、職員とおぼしき人物がひとりいるだけだった。こんな時間に訪問すると用件を聞かれかねないので市役所を後にして生活道路を駅まで歩いて戻ることにする。店のガレージはほとんど降りていて街が寂れていることは実感できるが、これは多くの地方都市に共通していることで夕張に限ったことではない。

駅前の屋台村で生ビールと黒い麺の夕張ラーメンを注文して喉と腹を満たしてから夕張を後にする。追分駅で1時間ほど待って苫小牧行きに乗り込めば室蘭本線も完乗することになり、この旅の目的は達成される。3月のダイヤ改正で姿を消す青森までの急行はまなすの最後の乗車(通算では3回目)はおまけのようなものである。

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