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2016年3月13日 (日)

原発被災地帯を行く

東日本大震災の被災地を語る時は三陸の津波とともに福島の原発事故を忘れてはならない。もちろん原発被災地は立ち入りできないが、国道六号線を代行バスが通っているので通過だけなら可能だ。昨年もこの代行バスには乗っているので、また乗る必要はないのだが、今日は帰り道として乗らざるをえない。今回は放射線線量計を持参したので、途中の線量も測るつもりだ。乗車1時間ほどで受ける線量はレントゲン撮影1回分程度とたいしたことはないのだが。

代行バスは1日2便しかなく、原ノ町からの始発は6時50分と早い。泊まったホテルが駅前なので6時起床でも余裕である。

6時半にバス停に着くが他のバス待ち客はいない。駅からホームを見ると、東京方面は放射能汚染、仙台方面は津波による線路喪失で行き場を失ったスーパーひたちが薄汚れた車体を晒してた。
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暇なので線量を計ってみると0.13マイクロシーベル/時である。昨晩部屋の中で計った時の倍近くではあるが、まだ安全レベルである。やがて来たバスに乗車するが、発車時間までに乗客は5、6人乗り込んでくる。

発車してしばらくは線量は上がったり下がったりしていたが、小高に近づくと線量は0.2マイクロシーベル/時に上がる。バスの中での測定だから外はこの1.5〜2倍はあるだろう。居住制限区域なので昼間の立ち入りは可能なのだが、人影は全くない。浪江に近づくと線量は1マイクロシーベル/時を超える。間もなく立ち入り禁止区域となり、車以外は通過できなくなる。線量はその後も増加し、水素爆発時に放射能が飛散したと言われる原発の北西部を通過する時には2マイクロシーベル/時を超えてしまう。その後は一時線量が下がるが、第一原発の至近距離(数キロ程度)に達すると最高で4.3マイクロシーベル/時を記録した。外はこの倍くらいあるとすると、短時間滞在しただけでも体に何らかの影響があるかもしれないレベルである。

その後はだんだんと線量は低下して、終点の竜田では出発地の原ノ町と同じ0.1マイクロシーベル/時となる。ここからはそのまま帰ってしまってもよいのだが、海側から立ち入り禁止区域近くまで行ってみることにした。

海側の道はわかりづらく、適当に北方向に進んでいたら、大きな通りに出た。どちらに行くべきかとキョロキョロしていたら右側には検問所がある。左に行くしかないと思ったが、検問所の写真を遠くから撮ったところ、警備のお巡りがすっ飛んできた。なんでもここは東電の私有地で建物の撮影禁止の要請が東電から出ているので、先程の写真は削除してもらわないといけないという。憎っくき東電が何をぬかすかとは思ったが、私有地ならばしかたがないと削除に応じる。身分証明書の提示も求められたがキッパリと断って反対側に進む。
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しばらくして常磐線の踏切にでたので線路沿いに北上しようと思ったが、東西いずれの道も途中で行き止まりとなるので、踏切まで戻って少し西に進むと先程の代行バスに乗ってきた国道に出る。

最初は国道を立ち入り禁止区域の手前まで行こうかと思ったが、さきほど通過した所にまた行ってもしょうがない気がしたので、海が見える地点まで出た所で引き返すことにした。

ここから5年前に来た久ノ浜までは20キロ位で楽勝だとノンビリムードで行く。代行バスに乗っている時は気がつかなかったが、警察の車が頻繁に行き交っている。原発に対するテロの警戒なのか、それとも反原発の運動を警戒してのことなのか。少し先に第二原発の案内があって、先程の検問が第二原発に向かう道のものだと気づく。第二原発は福島県民にかけた迷惑の大きさからすれば、廃炉以外には選択はないと思われるが、東電は廃炉を明言しておらず、東電にとっても第二原発はきわめてデリケートな存在であるゆえに厳重な警備をとらざるをえないのかもしれない。

竜田駅近くまて戻ったときに前輪に異常を感じ、パンクしたことに気付く。昨日の原ノ町に向かう夜道の時でなくて良かったとおもむろにチューブ交換を始める。ところが何年もチューブ交換などやっていなかったので、やり方を完全に忘れてしまい、記憶を呼び起こしながらやってみたもののにっちもさっちもいかなくなってしまった。そこでチューブが入っていた袋に印刷されている説明を見ながらやったらなんとかできたので、やれ安心と空気を入れようとしたが、どうしても入らない。ポンプが壊れてしまったのだろうか。とうとうあきらめ、幸い竜田駅がすぐ近くであったこともあり、駅まで自転車を押して行く。久ノ浜までの17キロは走破せずに終わってしまった。まあ原ノ町までの40キロの道は私が元気なうちには自転車で通行することは不可能だろうから久ノ浜まで走破できなくても五十歩百歩ではあるのだが

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