北上川 2日目
今日は時間的に余裕があるのでゆっくりと9時過ぎにホテルを出発する。北上川の袂に出て橋を渡ると上流には雪をいただいた岩手が望まれる。日本列島徒歩縦断では盛岡から青森までは岩手山~十和田湖経由で行ったので、しばらくはその時と同じ道を行く。岩手山に向かう道と別れた先で北上川とも離れてしまったので、今日は時間もあることだしと、蛇行している流れの方に向かったが、結局どの道も行き止まりとなっていて川沿いには進めず30分ほどの放浪の末に出発点に戻ってきてしまった。結局、蛇行している所は流れに沿って進むのは無理というのが結論であった。
今日の目的地である北上川水源まではこれといった見所もないのてだらだらと進んでいたら、渋民という所まで来たら当地で生まれた石川啄木の記念館があった。啄木の作品なんぞは読んだこともない身では少しためらわれたが、暇にまかせて入館した。受付で氏名と住所を記入したら、係りの人が「わざわざ遠くからいらっしゃったんですか」と啄木ファンと間違えているようなので返す言葉かなかった。館内には何組かの見学者がいて、熱心にメモをとっている人もいた。きっと本物のファンなのだろう。最後に入ったにもかかわらず、気がついたら先頭になっていて出口も近くなっていた。このまま帰ってしまったのではファンと思われている手前、早すぎるので時間調整のためしばらく館内に留まる。そんなに早くおわるのでは見学した甲斐がないと思われるかもしれないが、知らなかった啄木の人間関係は頭に入ったので、入場料3百円はすっかり元はとってあるのだ。
頃合いを見て外に出ると、記念館の庭には代用教員だった啄木が子供たちと一緒にいる像が岩手山をバックに立っていた。「故郷の山はありがたきものなり」という有名な一節は実際の岩手山を目の前にすると真実味をもって感じられるものである。
北上川水源まで到達することが今日の目的であるが、いろいろ寄り道をしたりしたので、到着は3時すぎと思ったよりも遅い時間となってしまった。あずまやもあって公園として整備はされているようだが、土曜日だというのに他に見学者はいなかったし、ましては河口から遡行してくる者なぞは皆無に近いたろう。
今年の大河の遡行または下降は天竜川、鬼怒川に続く三番目だが、途中インチキくさいところもあったものの河口から水源までまがりなりにも遡行できてよかった。来年もまたいくつかの大河の遡行にチャレンジしていきたい。
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