カシュガル市内観光
今日は市内観光を予定しているので、朝食を食べてからでかけようとするが、レストランに行こうとすると、レストランに通ずると思われる廊下のシャッターは閉まったままである。たまたま通りかかった職員に聞くと、朝食は9時からだという。しかし、エレベーターを降りたところでは「朝食」は7時からと書いてあるではないか!と思ったところで気が付いた。北京時間と地元時間(多分2時間の時差)が混在しているのだ。紛らわしいことである。
朝食後に博物館に向かうが、途中に昨日は閉店していた中国銀行があるので立ち寄り、宿泊代の未払分にあてるために両替をする。銀行だと他の用事の人とも順番を競うことになるため、かなりの時間待たせられる。スストもそうであったか、両替屋がないというのは旅行者にとっては不便なことである。
銀行からは20分ほどの歩きで博物館に着く。ここも厳重に警備されていて、セキュリティチェックを受けてから館内に入る。入舘料は不要だったが、そのわりには内容は充実しており、カシュガルを知る上で役に立つものであった。
ホテルに不足料金を支払うために2時までにホテルに戻らなくてはならないのだが、メインストリートをまた戻るのも芸がないので、裏道を通って行く。途中、オールド・カシュガルという一帯があり、ウィグル族の店舗が立ち並んでいて活気を帯びていた。こちらの道を選んで正解だった。
午後からはカシュガル最大の観光名所であるエイティガール寺院に向かう。途中で昼食をとっていくが、考えるのが面倒になったので、安全パイのラグ麺を頼んでしまった。なんか中国に来てから毎日ラグ麺を食べてるな。
新疆地区最大のモスクと言われるエイティガール寺院がホテルからこんな至近距離にあるとは思わなかった。意外だったのは思っていたほどの人出はなかったし、礼拝している人も見かけなかったことだ。モスク自体もそれほど広くなく、30分もあれば見てまわれるほどである。
カシュガルは人民道を境に北側にはウィグル族か、南側には漢族が多く住んでいるが、漢族の移住は国策によって行われているもので、元々空地だった土地か追い出した土地かは知らないが(多分、後者だろうが)、先住のウィグル族の不満が2009年のウルムチ暴動によって爆発し、その後も各地でテロが散発している。これに対して中国政府は強権的な対応を取って力付くで押さえ込もうとしている。そのためカシュガル市内では犬も歩けば警官に当たるという状態で辻々には警官が機関銃を抱えてたっており、さらには自警団がこん棒のようなものを持って街を闊歩して睨みをきかせている。一方、市内の公共の建物や大きな店舗の入口ではセキュリティチェックが行われているという物々しさである。
昨日から行ったところは、北のウィグル族居住区域ばかりだったが、南側の実情も見ておこうと、ガイドブックに載っている名所にも行ってみることにした。まずは漢の時代からの城跡で、漢族による新疆地区(当時は西域と言っていた)支配の痕跡を残しているところであるが、歩いて行くには少々遠かったのでタクシーで行くことにした。ところが、最初に止まったタクシーは行く先を告げると、なにやら言葉を交わしてから降りろというポーズをとるので仕方なく降りる。目的地が気に入らなかったのか、言葉が通じない客は乗せたくなかったのかはわからずじまいであった。
次に乗車したタクシーは先客がいたが、同方向だったためか乗車を認めてくれた。そして、目的地の近くで下車して目的地に向かうと目を疑った。なんとそこには高層マンションが林立しているではないか。マンション建設に伴い城跡は壊されたに違いない。最初のタクシーの運転手はその城跡はもうないことを私に説明したが、全く理解しないことに腹を立てて乗車を拒否したのかもしれない。遺跡を破壊するなどということをなぜしたのだろうかと思ったが、考えてみれば、この遺跡は漢民族による周辺民族征服を伝えるものであり、少数民族に対しては表面的には融和を謳っている中国政府にとっては好ましくない遺産だったのかもしれない。
やむをえずホテルに戻る途中にある次の名所に向かう。それは学校の敷地内にあるモスクなのだが、目的地についてみると門がしまっている。持参した古いガイドブックには20時30分まで開館と書いてあり、現在は20時を少し回っているので、開館時間が変更となったのかもしれない。門の内側にはガードマンが見えるが、問い合わせても埒があかないだろうし、道路からもモスクの上部は見えるので、写真たけ撮って去ることにした。
もうホテルまでは歩いても30分くらいの距離なのでタクシーに乗るまでもないのでせっかく漢族居住地にいるのだから中国料理店を捜しながら帰ることにした。パキスタンではカレーばかり、こちらに来てからはラグ麺ばかり食べてる気がしたので、ちょっと変わったものも食べてみたくなったのである。ところが中国料理店はなかなか見つからない。ようやく見つけた店に入ると、壁にある料理の写真から選ぶというシステムになっていてイメージしていた料理とは違うが、日本を出てから魚介類を食べてないことを思いだし、イカを野沢菜みたいなもので和えた料理と青島ビールを注文する。
ビールを飲みながら食べるイカはうまかったが、その量が半端ではないのが参った。周辺には北側にはない酒屋もたくさんあったので、明日のためにと缶ビールも買ってホテルに戻った。
エティガール寺院
新疆最大のモスクエティガール寺院
| 固定リンク
「旅行」カテゴリの記事
- ベトナム旅行記(後半)(2025.01.22)
- ベトナム旅行記(前半)(2025.01.18)
- 小樽からの帰京(2024.07.16)
- 釧路から旭川への移動(2024.07.15)
- ひたち海浜公園 はとバスツアー(2024.04.25)
「海外」カテゴリの記事
- ベトナム旅行記(後半)(2025.01.22)
- ロサンゼルス滞在と帰国(2024.04.13)
- アメリカ大陸横断後半戦(2024.04.10)
- アメリカ大陸横断前半戦(2024.04.07)
- ボストン(2024.04.04)
コメント