フンジェラブ峠越
いよいよ国境越えの日が来た。例によって早くから目が覚めたのでので、荷物の準備を済ませてからスストの町を散策してホテルに戻ると、ホテルの人が昨日支払ったホテル代を返すという。理由がよく聞き取れないのだが、既に支払済みだと言っているようだ。旅行社が立て替えてくれたのだろうか。とにかく、返してくれるのだというのだから受け取っておこう。ルピーじゃ困るけどドルなんだから。
朝食後にチェックアウトを済ませてバス会社の受付に行くと、中国や韓国の団体はいたが、日本人は私一人のようだった。一般の日本人には危険な行くべきところではないと思われているようだ(全然、そんなことはないのだが)。出国手続きは1時間半くらいで終わりバスに乗り込み(ただし、韓国の団体客は専用ミニバス)、待望の国境に向かう。中国の長距離バスに乗るのは初めてだが、二段の寝台バスになっている。これで、リクライニングがきけばよいのだけれど、朝から寝るわけにもいかず、座るのは背もたれがなくて少々疲れる。さらに天井が低いので、上下の振動で頭を打ちやすいので注意が必要だ。
国境までの道は谷沿いにどんどん高度を上げて行く。下部は断崖に沿った絶壁に道がつけられているが、絶壁の切れ目から奥深く伸びている谷を数10キロ辿れば、憧れのアフガン国境に達するのかと思うと感慨深いものがあった。
九十九折りの坂を登りきると高原状となって国境稜線の白い峰々が見えてくる。ほどなく国境に到達するが、写真によく出てくる国境の碑のところでは停車せず国境はあっけなく通過してしまう。みんなはどうやって写真を撮ったのだろうか?
車はそのまま峠をおりて、すぐ下にある中国側の事務所で荷物検査を行うことになるのだが、中国領に入って左側通行から右側通行に変わったのと通信環境が良くなって携帯が通じるょうになったのには驚いた。
荷物検査は中国人が優先のようで、他の者は車内で待たせられるが、その後も数人ずつは車内から降りて検査場に並んでいるので、私も続こうとしたら、警備の人に車内に戻された。単なる人数制限なのか、国籍で区別しているのかは知らないが、自分の順番は最後近くになってしまった。
検査の厳しさは想定範囲内であったが、私だけ検査が終わってもパスボートを返してくれず、バスがでていってしまうのではないかと少々焦った。結局、パスボートを返してもらって慌ててバスに乗り込んでからも30分ほどは停車していたので、問題はなかったのだが…
この無意味な停車は全く理由がわからない。ネットの記録では4時間待たされて地獄の苦しみを味わったと書いていた人がいたが。今回は早く検査が終わった人でも2時間ぐらいの待ち時間だと思うのでラッキーだったのかもしれないが、地獄の苦しみというのは少々オーバーな気がする。
そこから先はなだらかな道を2時間ばかり走って、タシュクルガンの郊外にあるイミグレに着き、入国手続きに1時間くらいかかってようやく自由な身にさせてもらった。陸路での国境越えはヨーロッパを除くとインド・ネパール間に次いで2回目となるが、今回の方が倍以上は疲れた気がした。
宿の予約はしてなかったが、翌朝のカシュガルへの移動に便利なようにと、バスターミナルの近くのホテルに泊まることにする。チェックイン後に近くの店で遅い夕食を摂る。バキスタンでは麺類としては焼きそばふうのものしかないが、こちらでは焼きうどん風のラグ麺があるの
で食べてみたが、なかなかうまかった。
フンジェブラ峠下の中国側の検査場
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