登頂ならず
3時出発とのことであったが、零時前に目が覚めてしまったので、カメラの低温によるバッテリー低下の対策を試みていたら、なにかの手違いでデータが全部飛んでしまった。タブレットでも結構撮っていたので写真なしという最悪の事態は免れることができたが、どうも朝から幸先の悪いスタートとなった。
3時きっかりにガイドと一緒に登り出すが、どうも調子が出ず一時間の登高高度が200メートルに達しない。一昨日の高所順応トレーニングをもう少し高い所でやっていれば多少違っていたのだろうが、そんなことを言っても始まらない。今のスピードでは1500メートルの標高差を1日で往復するのはとても無理だと薄々感じ始めるが、とにかく頑張って登るしかない。
登りだして5時間たって、ようやく頂上直下の急な雪の斜面に達する。同宿していた人からデインジャラスなアイスバーンだとは聞いていたが、まるで冬の富士山のような山で、私が今までに登ったヒマラヤ、アンデス、アルプスの中で、こんなに危険な所は初めてだ。
ガイドとはコンテ(ローブで結びあいながら同時に行動すること)で登るが、こんな硬い氷の斜面をコンテで本当に止められるのか疑問を感じるものの、富士山のように突風があるわけではないので、アイゼン技術さへしっかりしていれば、まずは滑落はしないものだ。
100メートルほど登ったところでガイドが降りようと言い出す。頂上が目と鼻の距離ならば頑張る気も起きるが、もう少し頑張ったところで時間切れで戻らざるをえないことは明らかなので、同意して下山することになった。下りも結構たいへんだったが、2時には小屋に戻り、そこから車で2時間ほどでトラチチュカの宿舎に帰った。夕食まではしばらく時間があったのでトラチチュカの町を散策するが、片田舎だと思っていたのは大違いでなかなかの町並みであった。
今回登頂できなかったのは、直接的にはアイスバーンのためだが、本当の理由は頂上アタック時の標高差が1500メートルもあったためだろう。私くらいの年齢になると1000メートル以内に抑えないと無理なのかもしれない。
| 固定リンク
「高所登山」カテゴリの記事
- アコンカグアとの別れ(2024.02.04)
- キナバル登頂(2023.06.22)
- パミールの山 後半(2021.08.10)
- パミールの山 前半(2021.08.10)
- 空白記録の復元(2020.07.29)
「海外」カテゴリの記事
- ネパール旅行記(2026.01.29)
- シッキム旅行記(2026.01.20)
- ブータン旅行記(2026.01.14)
- ブータンへのアプローチ(2026.01.13)
- ベトナム旅行記(後半)(2025.01.22)




コメント