東海自然歩道踏破 7回目
昨夜に家族で泊まった三保の松原からの帰途に身延線の井出駅近くまで寄り道してもらって自然歩道歩きを再開するが、いきなり出鼻をくじかれる。というのは、末尾の地図の点線部分①が本来のコースなのだが、中部横断自動車道の工事のために立ち入り禁止となっていて前進ができないのである。迂回路がないか探し回ったが見つけられず、南側から大回りして合流せざるを得なかった。その後は順調に行くかと思いきや峠を登りきった先でまた困難に出会った。稜線上には林道が通っているが、地図では林道を横切って反対側の谷を降りていく道を通るようになっている。たしかにその部分は東海自然歩道の標示板があって、ガードレールが切れていて谷へ降りる舗装したスロープはある。しかし、その先には踏み跡は全くなく自然のままの急な谷が続いているだけなのである。念のために林道を左右にしばらく歩いてみたが、谷側に降りる道は発見できなかったので、やはり先ほどの道を降りるしかないと判断した。谷を降り始めると、かなり古い缶やビンを見つけたので人が通ったことは間違いないようだが、その後の大雨等で自然に戻ってからは誰も通らなくなってしまったようだ。地図で見ると、下山道は途中で谷を離れて左の小さな尾根を下っているようなので、登りやすそうな所を登って尾根に出るとかすかな踏み跡があり、道は次第に明瞭になって徳間の集落まで降りることができた(帰ってからネットで他の記録を見ると、皆さんは林道を右に五キロほど遠回りしているようで、私が下った二キロの谷経由の近道を通っている人は皆無だった。五万図には載っているのだが、廃道になってしまったのだろう)。
トラブル続きのために思いがけず時間がかかってしまい徳間に着いたのは3時になってしまったので、大平の最終バスである18時25分に間に合うには田代峠経由の本来の自然歩道(点線部分②)を行くのは難しいと判断して、徳間峠越えでショートカットして大平に向かうことにした。これならば十分に最終バスに間に合うだろうとその時は思っていた。ところが、鋪装道路が山道に変わり、峠が近づいてきたと思ったあたりから、新たな困難が現れた。それは台風のせいではないかとおもわれるのだが、あらゆる木がなぎ倒されている大倒木地帯に突き当たってしまっまたのである。それまではコースは左上していたのだが、左に移動しようとすると倒木の間に落ちてしまうので、倒れている木のてっぺんを目指して登り、てっぺんからは隣の木に移ってまたてっぺんを目指すという登りかたをしたために、本来のコースよりもかなり右側を登っていく羽目になった(この道も五万図には載っているが、ネットの記録はなかった)。
倒木帯が終わった時にはかなりコースを外れていることはわかっていた。尾根がすぐ上に見えていたので、とにかくあそこまで登ってしまおうと頑張ったのだが、辿り着いたのは目指していた稜線ではなく、稜線に続いている小尾根であることがわかりガッカリしたが、とにかく稜線まで登りきるしかない。倒木帯突破に時間を要して最終バスに間に合うのは絶望的となり、足にも痙攣がきたりして散々な状態で稜線に上がったが、徳間峠よりもだいぶ高い所まで登ってしまったようなので、夜道を峠目指して降りていくと、眼下には最終バスとおぼしき明かりが遠ざかって行くのが見える。複雑な気持ちではあったが、今は安全地帯まで降りるのが先決なので、峠から興津川までを慎重に下っていく。
興津川に降りたって鋪装道路を歩きだしてからは、今夜のねぐらをどうするかを思案する。バス停のある大平付近には宿泊できる施設はないので、4キロほど下流にあるやませみの湯が唯一の宿泊施設なのだが、ネットで調べた所では月曜日は休館日となっていたので、期待はできないものの行ってみることにした。途中で見つけた自販機で暖かい飲み物を買って残ったパンを食べたりしてトボトボと歩くとやませみの湯が見えてきたが、案の定、建物の中は真っ暗で宿泊はできないようだった。やむを得ず、建物の間の風の当たらない所に座りこんで、衣類をすべて着こんで始発バスを待つことにした。思ったほど寒くなく、この分なら朝まで我慢できそうかなとも思ったが、一時間ちょっとすると次第に苦痛になってきた。ネットで調べると、ここから6キロほど下ると和田島車庫というバス停があるので、そこへ行けば扉のある建物の中に入れるのではないかと思えてきたし、そこまで歩けば時間潰しもできると考えて歩き出した。2時間ほど歩いて和田島車庫に着いたが、残念ながら建物にはカギがかかっていたが、建物の前にベンチがあって風も当たらないので、ここで始発バスを待つことにした。3時間ほどの待ち時間でようやく始発バスに乗り込み
長い一夜を終えることができた。
自然歩道も7回目となって東京から遠くなると、自然歩道のコースはハイキングの対象とならない所がほとんどで荒れ放題となってきている。今後はますますコースが荒れてくるだろうと思うと、多少気持ちが萎えてくるというのが本当のところである。
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