北京
定刻どおり無事に北京西駅に到着したので、先頭車両の所まで行って写真を撮りたいなとも思ったが、そんなことをしている人は誰もいない。下手なことをして警察ざたになるのもいやなので、そのまま改札に向かう。北京西駅は外の路線も通っているせいか自動改札はなかった。まずやるべきことは両替である。ラサでガイドに紹介された業者は一万円が550元とあまりレートが良くなかったが、中国銀行が休業日だったため、やむをえず両替したもので、買い物をして手持ちの元がわずかになったので、北京の中国銀行で両替するつもりだった。ところが、書類に色々書かせた後で、パスポートをチェックしたらビザがないから両替できないと言いだすではないか。15日以内の滞在はビザは不要なのだと説明してもビザがないと両替できないの一点張りである。前にカシュガルでたしか中国銀行で両替できた記憶があるが、そんなことを言ってもラチが明かないだろうから、多少レートが悪くなってもいいから他の銀行に行くことにした。近くにあった中国建設銀行にダメ元で行ってみると、パスポートのコピーとヒアリング内容をプリントしたものにサインするだけでオーケーとなってしまったのにはこちらの方が驚いてしまった。官と民(多分)の対応の違いということだろうか
次にやるべきことは、市内交通カードの入手である。始めに地下鉄のインフォメーションに行って、ネットからスマホにダウンロードしたカードの写真と100元札を見せながら、英語でカードを買いたいと言っても全く通じず、中国語で説明されても全然わからない。ただ手で方向を指し示しているので、さそちらの方にだいぶ歩くと交通カードの写真のある機械が何台か見えたので、これだと思って近づくが、カードの買い方がわからない。そばに係の人がいたので聞いて見たが、例によってさっぱりわからない。そのときネットからの説明を見直すと、窓口で買うとある。ぐるっと見回すと、あったあった。窓口に行くにもセキュリティを通らなけれ行けないが、とにかくカードが買えることはわかった。ところが、100元札を出すと、また何か言ってくる。カード代20元+チャージ代最低20元ということはわかっていたので、いくらチャージするのか聞いているのだろうと思ったが、なにを言っているのかわからないので適当に首を振っていると、カードと一緒にレシートをくれたのて見たら80元がチャージされていたので納得して一件落着(未使用分とカード代は出国前に払い戻しした)。
これで家内がお薦めの明13陵(妹が中国旅行で行ったとのことで、調べてみると北京郊外にあることがわかった)に行く準備は整った。地下鉄を三回乗り換えてからバスで明13陵近くまで行くのだが、そのバス停の場所がわからない。駅近くにあるバス停に行ってみても314路というバス停はない。近くの人に聞いてみると、駅よりも向こう側だと言っているようなので駅に戻りかけて交差点までくると、なんと314路のバスが走ってくるでないか。そのバスは駅を通り越した少し先で右折したようなので行ってみると、そこは車庫でそれまでの間にバス停はなかったようなので、さきほどのバス停よりもさらに先に314路のバス停があるに違いないと、また逆戻りしていると、たまたま警官がいたので314路のことを聞くと、やはり車庫の方を指差しているので、半信半疑ながら車庫まで戻り、今度は車庫番のような人に314路のことを聞くと、車庫を通り越した先にあるという。これでわかったのは行きと帰りでは発着停留所が別だということである。これで明13陵近くまでは行けることになったが、バスに関してはまだいくつかの問題があった。ひとつは前方の電光掲示板には路線名が流れるだけなので、次の停留所は車掌の呼び上げで知るしかないのである。中国語で呼び上げられてもわからない場合には、通過した停留所の表記を確認して次で降りるべきかどうかを判断することとなる。実は誤算だったのはGPS地図があるからとたかをくくっていたのだが、バスの中ではGPSが機能せず、この技?を使えながったことである。もうひとつはカードを乗車時と下車時にタッチパネルにタッチする必要があるが、降車口の前後にあるパネルのうち前の方は(たまたま)点灯していなかったので、そちらの方だけにしかタッチしないと認識されずに、次回カード使用時にベナルテイが課せられるらしいことである。
バスからの下車が無事終わると、明13陵の入口は前方に見えたので迷うことはなかった。なお明13陵というのは明王朝13代の皇帝の陵で世界遺産にもなっているものである。
入場料が20~80元となっていたので中の上ということで40元を出すと、入場終了30分前だったせいか、「遠いぞ!」という感じでジェスチャーをしているので、最低の20元の券に変える。一直線に続いている道を歩きだすとたしかに長いが、いくつかの門を潜ったり、両側に動物の像が並んでいたりと飽きることはない。やがて前方に柵が現れ、ここから前進するのは自分の券では不可のようだったので、そこで引き返したが帰りはやけに長かった。歴史の重みを感じさせてくれる遺跡で、推奨してくれた家内に感謝々々。
帰りは問題なく都心に戻れたので、残りの時間をどう活用するかを、検討する。北京の有名な観光地としては、天安門広場や故旧などあるが、いずれも前に行ったことがあるので、まだ行ったことがないはずの天壇という明、清の皇帝が祭祀を行った建物を訪れることにした。
地下鉄を乗り継いで現地に着いたのが夕方の5時半。チベットなら十分明るい時間なのに、こちらは既に薄暗くなっており、朝が早いのは嬉しい反面、夜も早いのは損した気分になるのは、チベットの時間感覚になれてしまったからだろうか。この時期は8時まで入場可能となっていたので、てっきりライトアップされるのかと思ったら、歩道の灯籠に明かりが灯っているだけで、天壇は闇の中にぼんやりと見えるだけでがっかりだった。
その後は24時間オーケーの天安門広場にでも行こうかなとも思っていたけど、寒くもなってきたので空港に直行することにした。行きは早朝の国内線に乗りつぐ関係で第二ターミナルの近く、帰りは早朝の国際線ということで第三ターミナル近くのホテルを予約しておいたのだが、既に書いたとおり、行きの🎵到着した晩は近すぎることが仇になって白タクのえじきとなり、出発する朝は前夜の反動からなまじ歩いたために、えらい苦労を余儀なくされたわけだが、帰りは空港から数百メートルの「至近距離」なのだから、同じ轍は踏まないだろうと思っていたところ、思わぬ所に落とし穴があった。それは、直線距離は短くても道がないため大廻りしなければならず、実際の距離は行きの時以上になることが判明したのである。
とりあえず、キャンセル料がかからないうちにキャンセルはしてしまったが、その代わりにどうするかは決めてなかった。市内のホテルを予約するというのも一案だか、早朝出発ということになると、寝過ごしを恐れて一睡もできないというのが過去の通例である上、中国ではネット規制でヤフーのネット検索ができないためにホテル予約がしづらいという面もある。それならば国際線ロビーは24時間営業だろうからロビーで夜明かしした方がベターだという結論に達した。風雪にたたかれながらの岩壁のビバークに比べれば、暖房の効いたロビーのベンチは天国のようなものである。
ここまで読まれた方は、ガイド付の旅行と比べて個人旅行はいかに大変かと思われるかもしれない。ただ、その大変さを旅の醍醐味と思うか、辛さと思うかは人それぞれである。それを辛さとしか感じない(なくなる)場合には個人旅行という選択肢はないだろう。
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