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2019年6月22日 (土)

三陸鉄道

久慈行きの始発に乗り、久慈で三陸鉄道に乗り換える。いよいよ今回の旅行の最大目的である三陸鉄道全線乗車の旅が始まる。3月に全線開通したにもかかわらず、今まで当地訪問が遅れたのは、ひとつには三陸鉄道にも乗れる大人の休日倶楽部パスは年三回発売されるが、三陸鉄道全線開通後は、今回が初めての発売期間であったことと、もうひとつは三陸海岸の旅の終着駅ともいえる石巻において開かれる復興マラソンの開催日が6月23日であり、石巻は1週間ボランティアをした地でもあり、復興の象徴でもある三陸鉄道全線開通後の乗車と復興マラソン参加は併せて行いたいという気持ちが強かった。なお三陸海岸のボランティアは陸前高田、気仙沼、北上にも行っているが、それらの地域の復興ぶりも自分の目で確かめたいという気持ちがあった。石巻から久慈までは震災後数年以内に自転車で北上したことはあるのだが、震災から8年以上たった今、どれだけ復興が進んだかも併せて確認しておきたい。

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久慈から宮古までは震災の前も後も乗っているので特に目新しいことはないが、宮古から釜石の間は震災前には乗車したことはあるものの、今年の3月に(BRT区間を除き)最後の不通区間が開通したということで、今回の目玉となっている区間である。開通が遅れたのは津波の被害が大きくて難工事になったからというわけではなく、この区間はJR東日本の山田線の一部だったので、黒字企業のJR東日本には国からの補助金がおりないが、三陸鉄道には補助金がおりるので、三陸鉄道としても同路線をJR東日本から引き継げば、少ない負担で震災前は南北に分かれていた路線が一本につながるメリットがあり、その引き継ぎ等についての調整に時間を要したからだと思われる。大人の休日倶楽部パスの利用期間である今日は満員だったが、普段の日はどうなのだろう。全線開通が復興に役立ってくれるとよいのだが

釜石から先が自分にとっての未乗車の区間で、まずは盛までは三陸鉄道が直通で走り、そこから先のJR東日本の気仙沼線の海岸部分や大船渡線はBRT(専用道路を走るバス)となっている。このあたりは震災から間もない頃に行ったことがあるが、鉄橋が軒並み津波で破壊されており、途中にある南三陸町も高台にあるホテル以外は全滅状態で、鉄道の復旧には新規設置と変わらない資金負担が見込まれる一方、国からの補助金はなく、鉄道復旧による経済効果も見込めない以上はBRTもやむをえないかなと思われる。できることならば、ここも三陸鉄道が引き継いで鉄道で復旧できればよかったのだけど。

盛から乗るBRTは一般のバスと異なり鉄道に準じる扱いがされるので自転車の持ち込みも可能だということはネットで確認済みだが、乗り場にはかなり大勢の人が待っているので本当に持ち込めるのかちょっと不安になる。代行バスの狭い車内に無理やり自転車を持ち込んだことはなんどかあるのだが。
車内はかなり混んだが、入口のスペースを確保して自転車を縦にしてなんとか持ち込むことができた。ただ縦にすると収納袋から本体の一部が飛び出すので、チェーンに付いた油が他の乗客に付かないように押さえるのに苦労した。
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BRTというのはレールのない鉄道というふうに理解していたが、実際はかなり違っていた。まず、交差点では信号待ちがあるし、専用道路は途中でなくなり、一般公道を走るようになる。うがった見方をすれば、鉄道からバスに一挙に変更すると地元の反発も強くなるので、鉄道に準じた乗り物ですよというイメージを与えるため、最初と最後だけ専用道路にしたのではないだろうか

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盛からのBRTは従来の大船渡線と同様に気仙沼止りとなり、ここから先の従来の気仙沼線に相当する部分は別のBRTに乗り換えなければならない。こちらのBRTはがら空きで二人分の座席を自転車置き場に占有でき、先ほどの混雑が嘘のようである。1日で三陸海岸を走破しようなどという好き者はめったにいないということだろう。海岸線を離れた前谷地から先は気仙沼線は津波の被害を受けなかったので、途中から電車に乗り換えて石巻に向かうことになるが、気仙沼から大船渡線経由で新幹線で行った方が早く石巻に着くのだから、このBRTか空いているのももっともだし、JR東日本が鉄道を復旧させずにBRTとしたのもやむをえないことだと思う。ここでちょっとした勘違いをしていたことに気づいて慌てる羽目になる。それは乗っていたBRTか
前谷地行きだったので、終点まで乗って行くつもりだったが、よく調べてみると不通区間は少し手前の柳津までなので、前谷地までBRTで行ってしまうと、短い区間だけだが未乗車区間を残すことになってしまうところだった。

6時過ぎに無事に石巻に到着。久慈線乗車を含めると12時間以上の長い行程だった。あとは旨いものを食べてシャワーを浴びて明日のレースに備えて英気を養うこととしよう。

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