田代峠と真富士山
今回の山行の1番の目的は東海自然歩道のコースの一部である田代峠から大平までが、以前は峠道ではなく尾根から迂回して通過しているので、きちんと峠道を通っておくことであるが、併せて南アルプス最高峰の北岳から南下する白峰南嶺の太平洋に落ち込むさった峠までの縦走を完成することも目論んでいた。さらには青笹山で白峰南嶺は東に屈折するが、屈折せずに静岡市街地北端まで直進するコースを田代峠から縦走することも最初は計画したのだが、加齢で重荷がきつくなってきたため、同コースの真ん中あたりにある真富士山を登ることでお茶を濁すことにした。
田代峠を登ること自体には問題はないが、峠から青笹山を往復するとなると時間が読めないのが問題である。というのはコースの途中に崩壊個所があって通行禁止となっているからである(そのために私の白峰南嶺縦走もその部分は一度下に下りて迂回しているため、完全縦走とはなっていない)。ただネットに載っていた記録を見る限りては通行はなんとかてきそうな感じてあった。また真富士山は田代峠から繋げるとなると東側から登らざるをえないが、ネットの情報は西側からのものがほとんどで唯一東側からの登頂もコースが荒れているというものであった。
田代峠の登り口である大平にコミュニティーバスが着いたのは12時であった。そこから峠までは3時間を見込んでいたが、実際には4時間かかってしまい、青笹山往復には赤信号が灯ってしまった。ただ田代峠だけで帰るのはもったいないので崩壊場所を見てくることにした。崩壊場所の手前には「立入禁止」のロープが張ってあったが、それを無視して前進すると痩せた尾根がいつ崩れてもおかしくない状態である。ここをロープの確保なしに通過するのはロシアンルーレットそのものなので早々と諦めた。
次に尾根の崩壊箇所直下の急斜面も通過できるらしいので行ってみると、こちらの方は慎重に行動すれば通過はできそうであったが、青笹山を往復するとなると帰りは暗くなっている可能性が高いので、暗闇の中で難場を通過するのは危険と判断して引き返すことにした。もう一本早いバスで来れば成功する可能性はあったかもしれない。田代峠を経由して大平に戻ったが、水を補給できる所がなく翌日の真富士山の登り口の手前でようやく補給できたので、そこにテントを張ったが、翌日の実際の行程を考えるとここまで進んでおいて結果的には成功であった。
翌朝は長帳場になるとは知らずに7時半と遅めの出発であった。歩き始めは茶畑の中であったが、坂道になってくると、山葵畑の横を通るようになる。山道と山葵の仕事道が交錯していて迷いやすい。山葵畑を過ぎてしばらくすると沢沿いの道を行くようになる。小一時間ほど登って行くと左側の斜面に赤テープと踏み跡があったので、登り口に違いないと早とちりして地図を確認せずに登りだした。テープと踏み跡はすぐになくなってしまったが、しばらくは尾根をそのまま登ってみるが、地図をよく見ると登山路は沢の右側を登っているようなので反対側を登っていることに気付いて一度沢に下りることにした。1時間近くの時間ロスとなったので、昼前に頂上に着くのは難しくなってきた。
沢に下りてしばらく進むと右側の小尾根にテープがあったので、こちらがルートに違いないと沢を離れる。登りだしてしばらくはあったテープが途中からパタッと消えてしまったのでおかしいと思って地図をよく見ると、登山路は尾根をそのまま登るのではなく、左の小沢の方へ巻いているのがわかった。そこで進路を左に取るとしばらくしてテープが現れたのでコース上に戻れたことがわかった。ところがその先で踏み跡が左手の方に横切っていくので、しばらくは踏み跡を辿ってみたが、地図では窪んだ凹状の部分を進むようになっていたので引き返すことにした。だが踏み跡の所と同様に凹状の所にも上部まで見渡してもテープは見当たらない。踏み跡を行くか、地図の道を行くかの選択を迫られるが、結局地図の道を信じることにした。
倒木帯を1時間ほど登ると、再びテープが現れたので正しいコースを登っていることはわかったが、時間は1時を回っており頂上との標高差は約500メートルあるので、頂上に着くのは3時過ぎとなるのは確実であり、最終バスに間に合うかどうか微妙になってきた。荷物を背負っての急登はつらかったが、なんとか3時40分に頂上立つことができた。ここは第一真富士といい、すぐ北方には第二真富士があって若干高いのだが、往復すると1時間以上はかかりそうなので諦めることにした。
頂上から西側へのコースは道が明瞭とのことなので、バス停のある平野に下山する分岐点を確認してから小走りで歩き出す。ところが道は神社まで下りてしまい、神社の裏手にはテープと踏み跡はあるものの方向がどうもおかしい。そこで地図で確認すると、正しいコースは神社の手前で右に曲がっていることに気づき、少し戻ると正しい分岐点を発見したが、約10分時間をロスしてしまった。
後は林道まで一目散に下り、林道で確認するとバス停まては7キロ弱で最終バスの時間までは1時間半あることがわかったので、ここで最終バスに間に合うことを確信した。ただ急ぎ足で歩いたにもかかわらす、バス停に着いたのは発車時間の5分前で結構ヒヤヒヤであった。もっとも、バスは10分ほど遅れてきたので、そんなに慌てる必要はなかったのだが、そんなに慌てる必要はなかったのだが
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