チェンマイ、アユタヤ観光
キナバル登頂とマレー半島鉄道縦断を予定通り終え、後は付録のようなものであるが、チェンマイとアユタヤの観光をしてバンコクに戻るという周遊で今回の旅を締めることとなった。
バンコクには二つこ空港があるが、チェンマイ行きはサブ的なドンムアン空港からの出発である。市内中心からはスワンナプーム空港よりも若干遠いので、前夜に空港近くに宿を取り余裕で出発することができた。今回はラウンジが無料で使えるプライオリティーカードは成田空港で使っただけて、インチョンとコタキナバルの両空港では諸事情により使えなかったので、今日は思う存分使おうという賎しい根性で朝食もとらずにホテルを早朝に出る。
チェックインを済ませると、制限区域外にあるラウンジのミラクルスペースに向かう。ネットに載っていたとおりに進むとそのラウンジがあったので、搭乗券とプライオリティーカードを見せると、カードは使えず1時間500バーツ(二千円強)と言われる。またしても失敗かとガッカリしながら進むと、同名のラウンジがあって今度はカードが使えた。紛らわしいことである。
まずは小手調べということで小腹を満たす程度にしておいて搭乗ゲートの近くのラウンジで本格的に朝食をとる。普段は朝はビールを飲まないのであるが、今日は二缶も飲んでしまった。腹も脹れてこれなら昼食はいらないかなと思うほどである。けっしてケチっているわけでなく、観光時間を有効に確保したいからなので誤解のないように
飛行機は予定どおり飛び立ち1時間ほどでチェンマイ空港に降り立った。ここから市内へはバスが出ているようなのでそれを利用することにした。今回の旅行でバスに乗るのは初めてである。ところが、グーグルマップで表示されているバス停はタクシー乗場の先にあるのだが、実際には乗場はみつからない。リムジンバスは廃止された可能性が大きいが、今さらタクシー乗場に戻るのは、さきほどタクシー運転手の勧誘攻勢をかいくぐってきた身としては格好が悪い。市街地までの距離は先日のコタキナバル空港の時の半分にも満たないのだから歩いてしまうことにした。
ここでひとつ問題が生じた。GPSに対応したオフライン地図のうちmaps-meについてはタイ北部のダウンロードを忘れてきたことと、グーグルマップについてはダウンロードこそしてあったが、オフラインの場合は自動車モードしかないことである。すなわち歩行者モードが使えないので、遠回りのコースを選択してしまう可能性があるということである。
ただそんなに長く歩くわけではなく、1時間も歩けば寺院群に着いてしまうので、実際問題としては特に影響はなかったといえる。タイの寺院は昔も見ているので目新しさはないが、あの金ぴかはどうも好きになれない。もっとも奈良の大仏も装建当時は金ぴかだったのが今は禿げてしまったと言われているが、タイの寺院は禿げないのだろうか。まさか純金というわけではないだろうに
旧市街の有名な寺院を三箇所見た後に新市街の市場に向かう。市場に近づくと雨が降り出したが、土砂降りになる直前にはからくも市場に逃げ込むことができた。市場は屋根付きなので、どんなに激しい雨でも平ちゃらだ。雨宿りを兼ねて端から端まで見て回った。食料品と衣類が中心だが一部玩具もあったので孫に買っていけるものはないかと探したが、なかなかこれというものは見つからなかった。
雨が止んでから歩きだすと、しばらくしてチェンマイ駅近くまでやってこれた。結局、乗り物は一切使わずに西端の空港から東端の国鉄駅まで歩いてしまったことになる。夜行列車の発車まではだいぶ時間があったので、駅前の飲食店でてんぷらとサラダのセットにビールを注文した。サラダはスパイスが効いていて美味かったが、天ぷらはカリカリし過ぎて具の味が全くせず、半分以上を残してしまった。夜中に空腹になると困るので、コンビニでパンと飲み物を買っておいた。
飛行機だと1時間のバンコクとチェンマイも列車だと半日がかりとなる。もっとも今回はバンコク手前のアユタヤまでなので下車は早朝となる。今回は二等寝台にランクダウンしたので個室ではなく開放型(カーテンはあるが)だが、こちらの方が気楽である。座席番号で寝台の上下が決められているらしく、前回同様に上段となってしまった。寝相が良い(?)ので落ちる心配ないし、上段への上り下りもお手の物であるが、私の年配ならは上段の利用には困難を感じる人もいるだろうに、下段にさっさっと入ってしまった若者は上下の交替を申し出る配慮がなかったのが残念だった。
翌朝 アユタヤには20分遅れで到着。タイ国鉄にしてはまずまずか。遺跡群があるのは駅から4、5キロ離れた辺りだが、その時はまだ暑くなかったので、行きは何カ所かをはしごしながら歩き、帰りはツクツクに乗ればいいやと考えた。だが歩くに連れて暑くなり、コンビニに立ち寄って飲み物を補給しながらの前進となる。
有名なアユタヤ朝時代の遺跡を二カ所見て回ったが、昨日の金ぴかの寺院よりも見応えがあった。
午前中で観光を終えアユタヤ駅に戻ることにする。歩き出してしばらくするとツクツクが待ち構えていたので、それに乗る。駅までの料金は約700円との言い値で、本来ならば値下げ交渉を行うべきだが、面倒になったのでそのまま乗ってしまう。そのためバーツの手持ち残が寂しくなったが、駅に着いてから小額外貨の両替をすればいいやと考えていた。
ところが駅についてみると、チェンマイでは至る所にあった両替屋がアユタヤには一軒もない。ホームにATMがあるというのでカードで手続きしてみるが、このカードは使えませんとの表示が出てピンチとなる。手持ちの現地通貨は300円程度しかないので、これで果たしてバンコクまで戻れるのか心配になっだが、エアコンなしの三等車は100円程度だったのでホッとした。おかげでバンコク近郊の田園地帯を各駅停車でのんびりと旅することもできた。今回は個室の一等寝台から二等寝台を経て三等車両まで経験することができた。
この路線はチェンマイに行くときに空港のあるドンムアンまで乗った線に繋がるもので、テレビて放映されることがある線路ぎりぎりまでお店の商品が並べられる名物路線とは残念ながら違うようである。ドンムアンに行く時は各駅停車だったのだが、今回はドンムアンを過ぎるとノンストップとなった。しかもドンムアンに行く時はバンコク駅(実際は別の駅名なのだが)の新装された構内から発車したのに、今回は構内から少し離れた路面電車のようなホームに到着したのだ。駅名がバンコクとは違っていることも含めて、初めてだったらバンコクに到着したとは知らず降り損ねてしまうところだが、前に来てバンコクの駅の外観は記憶にあったので、なんとか下車することできた。
バンコクまでは辿り着いたが、所持金200円程度では空港まで辿り着けないので両替する必要がある。地下鉄の切符売り場付近に各社のATMが何台もあるが、どのATMでも現金引き出しができない。日本語表示されるATMでは「このカードは支払停止になっている」とのメッセージが表示される。数日前のイポーでは支払に使えたのに、何と言うことか。同じ機械で何度も失敗するとカードが吸い込まれて出て来なくなるということを読んだことがあるので、違う機械で試しても同じである。
駅のインフォメーションでどこかに両替できるところはないかと聞くと、二つ先の駅で両替できると教えてもらい、5ドル札と併せて二千円程度をバーツと交換できたのでメデタク空港まで行くこどができるようになった。最後の最後にえらい苦労をさせられてしまった。教訓として「両替はできる時にしておけ」、元の教訓は「酒は買える時に買っておけ」だったが(アメリカ自転車横断中に作ったもの)
空港には早めに着いたものの、チェックインまでは3時間以上待たれることになり、ラウンジはそれまでお預け。最後までなかなか楽をさせてくれないようだ。
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