昨秋、妻と二人で奈良〜京都を旅行した際に、次は紅葉の嵐山に行こうという話が出たので、ついでにデュークエイセスのヒット曲「女一人」に引っ掛けて大原三千院と栂尾高山寺も訪れることにした。三千院は昨秋の妻との旅行の後に歩いた東海自然歩道のコースにもなっているので訪れたのだが、着いたのが4時半で30分ではとても見きれないということで門の前から引き返した所であり、高山寺は元々は妻が気に入っている鳥獣戯画を保存していた所で後に東京国立博物館に移されたが、数年前に一般公開されるということで見学する予定ことだが、ところ、コロナ禍で公開が中止となってしまったもののレプリカは訪問者に公開されているとのことである。このように両寺院とも我々にとっては因縁浅からぬものがあるので、今回の旅行はなにか運命的なものがあると言ったら言い過ぎだろうか。
アプローチは新幹線で直接京都まで行くのが一般的だが、妻がまだ湖西線に乗ったことがないということで、米原から先は在来線で行くことになった。途中のびわ湖バレーでロープウェーを利用してびわ湖と紅葉の眺めも楽しめるということで立ち寄ることにしていた。ところが、最寄りの駅で下車すると、駅前は閑散としていて観光客もほとんど見かけない。狐につままれたような気分になってバス停に近づくと、ロープウェイとバスの運行は先週の日曜までで終了の張り紙が、ガーンである。
次の予定は京都に入って比叡山の中腹までケーブルで上がり、そこから京都の夜景を楽しむことだが、当初の予定では夕方頃に着くつもりが、思わぬアクシデントのために明るいうちから展望台に着き、暮れゆく京都をゆっくりと堪能して市内のホテルでチェックインをした。本来ならば市内に戻るのは遅い時間のはずなので、食事も簡単なもので済ませるつもりでホテル近くのグルメ情報も予習セロで行き当たりばったりででかけたが、結果は散々だった。予約してないと客扱いされなかったり、味が今ひとつの店で我慢することとなった。
翌日は午前中は大原三千院と寂光院、午後は高山寺と市内をあちこち回るのでバスの一日乗車券を買おうと思ったら今年の9月いっぱいで廃止されたということで、少し割高の地下鉄も併せた一日乗車券でも割安になりそうなので、そちらを利用することにした。三千院行きのバスは満員でやってきたのでラッシュアワーの影響かなと思ったら、乗客はほとんどが観光客で欧米人がその半分以上であった。
三千院はなかなか見応えがあり抹茶を味わいながら眺める庭の紅葉も見事であった。庭の遊歩道もかなり歩きがいがあり、途中で切り上げて寂光院に向かった。寂光院は三千院からは30分ほど歩いた所にあるが、三千院ほどの見ごたえはないせいか観光客はそれほど多くはなかった。本堂では坊さんによる寂光院の由来についての簡単な説明があったが、それが終わると後はそれほど見るべきものもないようなので、バスで市内に戻った。
駅ビルのレストラン街はどの店も行列ができていたが、比較的空いていた串焼き屋に入ったら当たりの店で昨夜のリベンジはできた気がした。午後は高山寺に向かうのでグーグルマップで検索した経路のバスに乗ったが、途中で近すぎて変だなと思って調べると別の高山寺を検索してしまったようで、目的の高山寺のある栂尾にはJRバスで行く必要があることがわかり、乗り換えることにした。栂尾行きのバス停がわからずウロウロしていたら、地元のおばちゃんが親切に教えてくれて無事に高山寺に着くことができた。高山寺は鳥獣戯画のレプリカだけでもっている所でこれが無ければ訪れる人も稀だろう(若い人はデュークエイセスも知らないだろうし)。それなのに入場料を最初と鳥獣戯画の所とで二度も取るのはどういうことか。本物の鳥獣戯画の一般公開ならば、長い行列の後に見るのはそれなりの感動があるかも知れないが、レプリカとなると感動も今ひとつで、見終わると早々に高山寺を後にした。
夕食は前日の失敗に凝りて、ある程度下調べしてから出かける。コースの日本料理をお願いしいたが、広い個室が用意されたし料理もまずまずで当たりであった(値段もそこそこではあったが)。食後は妻が祇園に行ってみたいというので、バスに乗って行ってみる。どうもイメーてジと違ったようで早々に引き揚げたが、こんなことならバスの途中で外人さんが大挙して下車したのはライトアップされた清水寺に向かったようで、我々もそちらに向かった方が良かっのののたと思ったが後の祭りであった。
その後は妻はホテルに戻ったが、私は一日乗車券を使って京都の地下鉄を全線乗車してきた。正確には計算してないが、一日乗車券の料金に対して妻は2倍以上、私は3倍以上の区間料金の合計となる区間を利用したので、随分とお得な券であった
最終日はお待ちかねの嵐山である。駅前から直行バスもでているが、私鉄乗車も目的としているので、嵐電の始発駅まではバスで行き、そこからは一部は路面を走行して嵐山に向かう。嵐山に着くとまずは渡月橋に向かうが、朝も早いせいか思ったほどの混雑はなかった。その後はトロッコ乗車の予約をとるためにトロッコ嵯峨駅に向かう。午前中はほとんど満席だったが、午後は帰りならば辛うじて予約を取れたので、次の目的地である大覚寺に向かう。バスもあるらしいが、歩いても10分ちょっとの距離である。
大覚寺自体はデュークエイセスの曲がなければ、ほとんど知られることもなかったかもしれないが、渡月橋とは比べるまでもないものの、そこそこは観光客も来ていた。別料金の広沢の池はそれなりに来る価値はあった。帰りにはこれも名所とされる竹林の小径を通ってJR嵯峨嵐山駅に向かい、駅前で食事してからJRに乗ってトロッコ亀岡駅の最寄り駅に向かう。トロッコは保津川沿いに走るもので、紅葉と保津川の流れ、さらには保津川下りの舟も眺められて、旅の最後を飾るに相応しいものであった。トロッコ嵯峨駅に到着すると、今回の京都旅行の予定は全て終わり、京都を離れる妻とはここで別れることとなった。


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