チリ・パタゴニア
2月14日
一月近く滞在していたアルゼンチンに一時お別れしてチリに向かうことになる。細かいアルゼンチンペソが450ペソ(それも10ペソとか20ペソという少額紙幣が多数)あったので、これに1000ペソ紙幣を足して買えるものはないかと探したが、一番安いと思われる水の小ペットボトルでも1500ペソ(300円弱)したので、結局カードで買わざるを得なかった。まあウシュアイアまで行けばまた使えるのだけど
チリは検疫が厳しいらしく食料品、特に生ものは全て没収されるとのことなので、キャンプに持っていた残りは国境までのバスの中で食べてしまうつもりだが、日本から持参した乾燥米とスポーツドリンクがどうなるかは不明である。まあ没収されたらされたで仕方ないが
チリのプエルトナタレスまでの経路は前日のモレノ氷河付近を海沿いに行くのかと思ったら、内陸部を通って行くものであった。荒涼たる平原を進み、野生のアルパカかそれに類するものが、そこら中で草を食んでいた。
2時間ほど進んだところで停車したので国境かと思ったら、まだ大分手前でトイレ休憩だった(車内にもトイレはあるのだが)。どうも地図のGPSでの経路を見ると、プエルトナタレスまでの最短路ではなく、かなり寄り道して走っているようである。まあ急ぐ旅でもないし、ホテルのチェックインに間に合うくらいの方が都合がいいのかもしれない。
アルゼンチン側のイミグレの出国手続きは問題なく終わる。国境を越えてしばらく進むとチリ側のイミグレがあり、入国手続き自体は特に問題はなかったが、検疫が厳しいということがネットに書かれていて多少は緊張したものの、実際は大したことはなく、麻薬犬云々ということもなく、特に食料を没収されるということもなかった。手続きが緩和されたのだろうか
全員の手続きは無事終わり(私が最後だったけれど)、バスは一路プエルトナタレスに向かって進んで行く。道路脇に家がたて込んでくると、ブエルトナタレスの市街地である。バスターミナルで荷物を整理してからチリペソへの換金を行った。日本を出発する時はアルゼンチンペソの方がチリペソよりも若干高かったのだが、ここ一ヶ月の間に逆転してチリペソの方が高くなっているようだ。さすがに年率40パーセント以上物価が上がっているアルゼンチンだけのことはある。興味深かったのは、アルゼンチンペソとチリペソの売買の価格の比である。通常の場合は売買のレートの差は1割程度なのだが、アルゼンチンペソについては倍となっていた、これはインフレの激しいアルゼンチンのペソについては誰も持ちたがらないので、このような差がついたのだろう。アルゼンチンペソで支払ったウルグアイで物価がやけに高く感じたのも、アルゼンチンペソが不人気だからであろう。
予約したホテルはバスターミナルから歩いて10分ほどのところにあった。ドミトリーが4泊、キャンプが二泊と続いたので、今夜は珍しく三ツ星ホテルを選んだ。また10日近く連続で行動してきたため、明日は完全休養日とすさることにした。
プエルトナタレスは海岸沿いなので、おいしい魚が食べられると思って魚料理店に行こうと思ったが、海岸近くまで行かなければならないので、それは後日として、ホテルの近くにあった中華料理店にはいることにした。ところが、メニューが漢字表記ばかりで麻婆豆腐以外は何の料理かわからない。あてずっぽで魚へんの料理を注文したら、イカのフライだった。チリ人がよくこんなメニューで注文できるのか不思議だった。隣のテーブルの家族連れは、チャーハンとおかずを3品注文していて、入れ替わりたいぐらいだった。なお、ここもカードで支払ったのであるが、今まで使ってたカードは月の使用限度額が少額なので、上限に達する前に限度額の多いカードを使うことにしたら、こちらはタッチ認証もできてpinコード入力の手間が省けて便利であった(落としたり盗られたりした時の不正使用のリスクはあるが)。
帰りにスーバーに寄ったらカップ麺を売っていたので、思わず買ってしまったが、ホテルの部屋には湯沸かしがなく食べられなかった。翌日のホテルはワンランク下なので、多分、自炊用のな設備が共同であると思う。なお、スーバーにはレトルト食品まであった。どうもアルゼンチンよりも生活レベルが上のように感じられた。
ホテルに帰ってしばらくすると、今まで使えていたインターネットが繋がらなくなった。スマホもタブレットも繋がらないので、多分システムの故障で、明日、ルーターの再起動をしてもらえば直るかもしれない。それまではダウンロード済みのデータで過ごすしかないだろう。
2月16日
翌朝にはネットも復旧して妻ともwifiで連絡することができた。昼前にホテルを出て10分ほど歩いて今夜の泊まるホテルに向かう。ちょうどメインストリートを歩いていくことになるので、ウインドウショッピングしながら行ったが、前日までのカラファテが観光客のための街て、お店もレストラン、ツアー関係、お土産屋くらいしかなかったのに比べて、こちらは生活用品のお店がたくさんあるのが大きな違いだ。
ホテルの隣がレストランで水産物も食べられるということで早速入り、カニのサラダを食べたが、なかなか美味であった。ホテルのチェックインは3時なので、荷物だけを置かせてもらってバスターミナルまで行き、ウシュアイア直通バスの運行日を確認したが、翌日のパイネツアーの日以外はだいぶ先になってしまうようなので、直通はあきらめプエルトアナレス泊まりの二日行程にすることにした。
その後、ホテルまで戻る途中でホテルの部屋と翌日のパイネツアーでの食事の材料を買うことにした。今日一日は行動したのはバスターミナル往復くらいで、すっかり休養できたので、多分、元気は取り戻せただろう。
2月16日
本日のパイネツアーは本当は日帰りツアーでなくフィッツロイ、セロトーレと同様に個人でキャンプをして行きたかったのだが、パイネの場合は国立公園内への入場やキャンプについての許可等の手続きが面倒で、また公園までのアプローチの問題もあるのでツアー参加もやむなしと判断した。その結果、パイネのモルゲンロートは見られなくなるが、やむを得ないだろう。
7時前に集合場所に行くと参加者は女性が一人いただけなので、少人数パーティーになるのかと思いきや、先のホテルで次々と乗り込んできて、最終的には十数人の大人数となった。ただほとんどが私よりは若かったが、ある程度の年配者のようなのでまずは遅れを取ることはあるまいと安心した。
道路を北上していくと、左側にパイネ山群が見えてくるが、まだどの山がトーレスデスパイネなのかは確認てわきない。やがて道はカラファテ方面への道と別れる。3日前に国境を越えてカラファテから来た道だ。
その先でもビューポイントで何カ所か停車して撮影タイムがあり国立公園入口に到着。ここで入場料US35ドルを払うのだが、数年前から現金ではなくPayPalで事前に払うように変わって面倒になったので、ツアー申込時の説明には事前支払が必要とは書いてないことからツアーにしたという面もあったのだが、そこがいまひとつ不明確だった。
他の参加者は皆、スマホの画面を見せていたので、PayPalで支払ったのだろうか。私はそれをしてないのでどうしたものかと思ったら、奥に連れて行かれてパソコン画面に個人情報を入力してチップを缶に入れるように言われる。五ドル札があったので、これでも良いかと聞くと、良いと言われる。入場料との差額30ドルはどうなるのかと思ったが、ツアー参加者に対してはお目こぼしがあるということだろうか?それなら一ドル札を入れておけばよかったかな。
その後も景勝地を巡っては撮影休憩を繰り返したが、ここではたと気づいた。トレッキングツアーを申し込んだつもりでいたのだが、間違って観光ツアーに申し込んてしまったことを。まあアルゼンチンと違ってチリのトレッキングは日数がかかり、日帰りトレッキングではモルゲンロートが見えないだけでなく、たいして奥深く入れないようなので、観光ツアーでも良かったかなとも思えてきた。
トレッキングツアーを想定していたため行動食を用意していたが、昼食はレストランで食べるようである。私は外がで持参した行動食を食べようかなと思っていたところ、食費はツアー料金には含まれてないが、席は人数分予約してあるみたいで、レストランの係の人に半ば強制的に席まで連れて行かれてしまった。しょうがないから、一番手軽なハンバーガーを注文し、飲物は頼まず持参したコーラを飲むことにした。
食後も何カ所かで撮影タイムを取った後、一路プエルトナタレスに向かうのかと思いきや、プエルトナタレス手前の有料の天然記念物(先住民の居住跡?)の所で停車する。この入場料11USドルはツアー料金には含まれてないということは、事前の旅行社の通知に書いてあったが、これも国立公園入場料と同様に当日払いができず、事前払いした証明書をスマホ画面で呈示しなければならないことは全然知らされておらず、他の参加者がスマホを見せて進んで行くのに対して、外で待っているしかなかった。プンプン
その日の晩は、まずは初日にも来たスーバーでアルゼンチン用にカップ麺を四個買い、次にこれも初日に来た中華料理店に入り、今度は麻婆豆腐を注文する。途中で何か言ってくるのでできないというのかと思ったら、向こうも翻訳アプリを持ってきて、「肉を入れますが」だって、肉の入ってない麻婆豆腐なんてあるか?なお、先日、漢字のメニューでよくチリ人がわかるなと書きましたが、スペイン語(多分)のメニューは別にありました。私が東洋人だから漢字のメニューを渡したらしい。
明日はウシュアイア行きの直通バスはなく、かなり手前のプエルトアナレスまで行くだけで、バスの本数も多いようだから予約はせず、適当な時間に起きて出発することにした。
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