« アコンカグアとの別れ | トップページ | イグアスの滝 »

2024年2月 4日 (日)

メンドーサからブエノスアイレスまでの移動

1月30日

今日から明日にかけてはメンドーサからブエノスアイレスまでの長いバス旅である。メンドーサ州はアコンカグアも含むはずなので、随分と長く滞在したことになるが、とうとう離れることになった。

当初はアコンカグアが終わってから、まずはブエノスアイレスに移動し、その後にパタゴニア方面に行くつもりだったが、早めに下山してしまって日程が余ってしまったので、イグアスの滝見物を前倒しすることにした。そのため、以前に予約していたメンドーサからブエノスアイレスまでのフライトが日程変更可能となっていたので変更しようとしたら、手数料が当初支払った金額の倍以上かかることがわかり、この先予定しているアメリカ横断やチリ・ボリビア縦断バス旅行の予行演習を兼ねてバスを利用することにした。

バスターミナルがホテルから比較的近く、出発時間も午後からと遅かったので、チェックアウトを済ませてからも比較的余裕を持ってバスターミナルに向かうことにした。ただ日本のようにターミナル内に案内表示がたくさんあるわけではないので、目的のバスがどこから出発するのか、わかりにくかった。そこで、係の人に予約したスマホ画面を見せて紙に書いてもらって出発ゲートを知ることができた。

また予約画面の下の方を読むと、預け荷物は1つのみと書いてあることに気づいたので、2つの荷物を結束バンドで繋いで無理矢理1つにして預けることにした。飛行機だったら、機内に運ぶ途中で分解しかねないが、バスはその場で積み込むので、その心配はない。ただ係の人に荷物を預けた時にスペイン語で何か言われてわからなかったが、受付シールを貼る必要があるのだろうと思い、スマホを出したら裏にシールを貼って荷物を車内に運んでくれた。また車内に乗り込む時にも係の人に何か言われて、多分座席のことだろうと思って紙に書いてもらったものを車内に入ってからタブレットの翻訳アプリで読んでみると、「シートNO?」とある。たしかに予約時に座席は指定したはずだが、車内はがら空きだったので、どこに座ってもいいよということらしいのであった。

しばらくして運転手二人が乗り込みドアは閉まって、約18時間にも及ぶブエノスアイレスまでの長距離バス旅行が始まる。エアコンは効いていてトイレも完備し(飛行機と比べてドアの開閉やカキの閉め方が分かり難いが)、がら空きの車内はリモコンを倒せばホテルのようなものだが、残念なのはwifiが通じてないこととバッテリーチャージができないことであった。ただ今回のように山と兼ねた旅行の場合はモバイルバッテリーをたくさん持参してきているし、ネットに繋がらないのは山でも慣れているので、それほど苦にはならない。また車内灯のつけ方もよくわからなかったが、ヘッドランブと予備バッテリーもあるので、持参してきているグレイトジャーニーを読み直していれば退屈することもない。ただトイレが完備している代わりにトイレ休憩を利用して飲食物を買ったりすることは難しく、事前に準備しておかなければならないようだ。この先、夕食がどうなるかが差し当たり心配ではあるが

途中、数時間おきにターミナルで停まるが、その時に飲食物を買いに行けるかどうかが問題である。各ターミナルでは10分ほどは停車しているようなので、ダッシュすれば軽食程度は買えそうだが、日本のように人数確認はしていないので、乗り過ごしたらそれまでである。

実際に次のターミナルで試してみたが、その時は5分くらいしか停車せず、私がバスに戻るや否やドアが閉まって発車し、危ないところであった。もっとも運転手席からは売店が見えていて、私が戻ったのを確認して発車したのかもしれないが・・・。ネパールの長距離バスには何度も乗ったが、その際は食事時間中は30分近くは停車していたので、乗客はほとんど下車して食事していた記憶がある(もっともその際も置いていかれるのではないかとハラハラしながら食事をしていたが)。こちらの人はヨーロッパの影響でやはり肉食人種で食いだめができるため、一食くらい抜いても平気なのだろうか

と思ったら、次のターミナルでは乗務員は二人ともバスを降りてしまい、乗客もほぼ全員パスを降りて売店に向かったので、私もまた買い物に出かけた。売店は今までのターミナルよりも商品の数が多くていろいろ買えたし、なによりも近くの席のおばさんがレジで私の後ろに並んでいたので、安心して買い物ができた。もっとも、売店では軽食も注文てきたようだが、さすがにそこまでする余裕はなかった。

快適なリクライニングシートのおかげですぐに眠りに入る。夜中に1回トイレに行った以外は熟睡できた。五時過ぎに目が覚め、終点のブエノスアイレス到着まではまだ2時間ちょっとあって一眠りできる時間ではあるが、そろそろ東の空が白じんでくる時間であり、東に向かって行く旅のハイライトでもあるので、起きていることにした。

やがてバスはブエノスアイレスのバスターミナルに到着する。メンドーサよりもだいぶ大きなターミナルで店の数も多い。昨日からずっとサンドイッチか菓子しか食べてなかったが、ようやく多少はましなものが食べられた。と言ってもハムとチーズをクロワッサンで挟んだシンプルなものだが。ここは中心街からはさほど遠くはないようだが、まわりにお店はないようなので、ターミナル内で六時間ほどイグアス行きのバスを待つほかはない。南米のパリと言われるブエノスアイレスはイグアスの帰りに数日は滞在する予定なので、その時に観光すればよいだろう。

実はブエノスアイレスの到着ターミナルと出発ターミナルは異なっていることは前から認識していたのだが、乗り継ぎに六時間以上あることから、のんびりとブログを書いたり、本を読んだてのんびりとしていた。しかし、ターミナルは早めに移動しておいた方がいいだろうと考え直して、係の人に聞くと、どうもタクシーで行かなければ行けない距離らしいので、ターミナルの出口に停まっているタクシーを掴まえる。目的地を告げて料金を聞くと、二万五千ベソだと言う。高いのか安いのがわからなかったが、お得意のムーチョカーロ(とても高いと言うこと)と言うと、二万ペソ(四千円弱)に下げてくれた。実際は1時間以上かかったので、決してぼられたわけではないと思う。

 

途中、ガス欠となってスタンドで降ろされた時は、ここで打ち切りになるのか、ガソリン代を払わされるのではと思ったが、そのようなこともなく無事目的地に着く。先ほどのターミナルに比べて建物は新しいが、内部はほとんど人がおらず閑散としている。本当にここで良いのが心配になってきたが、入口の案内所で予約票を見せて確認すると間違いないようなので一安心する。きっと先ほどのターミナルは海にも近く、ブラジルやパラグアイとの行き交いに利用する人も多いが、こちらは少し内陸にあるため、奥地との行き来はそう多くはないからなのだろう。イグアスの滝は南米随一の観光名所ではあるが、観光客はほとんど飛行機で往復するであろうし、20時間近くかけてバスに揺られていく人はいないからだろうか。そうこうするうちにバスが来たら、なんと乗客は私一人で発車することになった。前回以上の珍道中になるのだろうか。

|

« アコンカグアとの別れ | トップページ | イグアスの滝 »

旅行」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« アコンカグアとの別れ | トップページ | イグアスの滝 »