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2024年3月11日 (月)

さらばアルゼンチン

3月8日

クルーズ船で朝食を食べ終えてすぐに下船し、観光案内所に直行する。案内所はまだ閉まっているが、案内所の周りでは弱いながらもWiFiが使えるからで、真っ先に妻に無事に戻ったことをラインで伝える。その後、10日分のメールを確認した後にフェイスブックへの投稿もしようとしたが、電波が弱すぎて投稿できなかったので、近くにある今晩の宿まで行き荷物を置かせてもらった後にレンタルした衣服を返却し、銀行で若干のキャッシングをしたが、ここでちょっとした間違いをしてしまった。五千円相当をキャッシングするつもりが、5000ペソ(千円弱)をキャッシングしてしまったのである。これではキャッシング手数料にも足りない額である。もう一度キャッシングすると、また手数料1000円ほどがとられるので、手持ちのペソでもあと2日間のアルゼンチン滞在中はなんとか足りそうなため再度のキャッシングは行わないことにした。

今日はクルージングの疲れを癒やすため宿でゆっくりしてもよかったのだが、ツアーの予約をしてしまったため、行かざるをえなくなった。ところが、メールで送られてきたのは切符そのものではなく、切符の引換券で引換え場所が明確でなかったのである。メールがリンクしている引換え場所を開くと港付近の地図なので、そこにはクルージング前に一度行ってみたが該当する施設はなく、引換場所がわからないというメールを出したら、ウシュアイア唯一の駅だからわからないはずはないという返事だった。しかし、最果て駅はウシュアイアの中心から12キロも離れているのに、メールに記載されている所在地にはウシュアイアから3.5キロと書いてあるのである。

悶々としていたが、結論としては指定された時間までに駅まで行ってみようということである。もし、引換場所が別の遠い所でも引換券を持っていれば、なんとか対応してくれるだろうということであった。出発時間は12時で30分前までに手続きするようにということだったので、宿に荷物を預けて歩き出したが、指定時間に間に合いそうもないので、途中でタクシーに乗って駅に向かう。指定時間までには駅に着くと、外の切符売り場とおぼしきところにはかなりの行列ができている。駅の建物の中に入って係員に引換場所はどこかと恐る恐る聞くと(港の方だと言われたら万事休すなので)、外の切符売り場だと言われてホッとした。たしかにメールにあったリンク先の所在地の地図はおかしかったが、所在地のウシュアイアから3.5キロというのは中心地からではなく、外れからならば間違いとも言えないようにも思える。

私が予約したのは切符だけなので国立公園入園料は別に必要となるが、12千ペソ(約二千円)ということだっとので、翌日の空港までのタクシー代を払っても十分お釣りがくるし、余らしてしまって隣国で両替しても価値が半減するので入園料を買って手持ちのペソを減らすことにした。列車が発車する待ち時間の間にクルーズ中の禁酒の反動でビールを買ったが、つまみと昼食を兼ねてチーズとハムを挟んだサンドイッチを買ったつもりが、いざ食べて見ると真ん中に挟まれているのは、黄色と赤色をした甘味であった。どうも今日はキャッシングといい、勘違いが多いようだ。クルーズが終わって気が緩んだのだろうか。

観光列車はほぼ満席で発車し、途中一箇所の駅ですぐ上にある滝見物のために短時間停車した後に終点駅に向かう。最果ての鉄道と名うっているが、それだけが売り物であり特に変わった景観があるわけでもないので、乗車時間1時間強で一万円強というのは、随分と強気の商売をしているなあと感じた。

終点に着くと乗客の多くは待機していたマイクロバスに乗り込んでいく。私はマイクロバスのツアーには申し込んでいないので遊歩道を少し歩いてみるが、どうということはない道で、これで二千円とは高いなと感じた(マイクロバスならば湖まで行けるようなので、それなりの景観は得られるのだろうが)。どうもウシュアイアは観光客を食い物にしているなと感じた。歩いてもしょうがない道だと感じたので駅に戻ってみたが、誰もいないし帰りの列車の時刻もわからないので、どうしたものかと思っていたら、ちょうど遊歩道を歩き出す人がいたので、その後を付いていけば帰りの列車に間に合うのではないかと考えて後を歩くことにした。

ただ彼らは途中の休憩が多いので、途中で追い抜いて適当な所で自動車道に上がって駅に戻ることにしたが、駅に戻ってしばらくしても誰も戻って来ないので、業を煮やして始発駅まで戻ることにした。始発駅までは小一時間で着き、そこからはタクシーでも帰れるのだが、まだ3時半であり、早く街に戻ってもやることもないので、このまま歩いても7時頃には宿に着けるだろうから、最後のウシュアイアの町歩きを楽しもうと歩いて帰ることにした。

ウシュアイアにはクルーズ船の申込みのために1週間ほど滞在していたこともあり、街は知り尽くしたように思っていたが、似たような街並みが続くので意外と迷いやすく、宿には朝荷物を置くために立ち寄ったにもかかわらず最後で迷って右往左往してしまい、三十分ほど時間をロスしてしまう。ドミトリーに入ると、クルーズ船で一緒だった見覚えのある顔があって挨拶したが、豪華クルーズ船の乗客ならばドミトリーに泊まるなどということは絶対にないだろう。

3月9日

目覚めるとバナナ一本だけ食べて、タクシーで空港に向かう。出発の4時間も前に着いてしまったが、朝食とブログ書きで時間を潰す。定刻どおり12時15分に出発したが、ブエノスアイレスまでは3時間以上の長いフライトである。出発も到着も国際空港ではあるが、フライト自体は国内便なので、食事時間帯にもかかわらず食事のサービスはないようだ。有料でもいいから食事にありつきたかったが、待ち時間の間になにか買っておくべきだった。もっともサンドイッチに類した食事には飽きてしまったのも事実だが。

と思ったらブエノスアイレスに近づいてから、飲物と菓子類のサービスがあり危ういところで餓死を免れた(笑)。また私の席は窓側で通路側の乗客は熟睡しているようなのでトイレに行きにくいなと思っていたら、持参の食料を食べだしたのでトイレにも行けて、これで着陸するまでやるべきことはなくなった。

空港ではターミナルの建物のすぐ横まで飛行機は来ているのに、わざわざバスに乗り換えてターミナルまて行くことになる。もう少しターミナルまで接近すれば、乗り換えずにターミナルに行けるものを。荷物の受取では自分の荷物が一番最後になってしまったが、こんなこともめずらしい。係員に追い立てられるように誰もいなくなった受取所を出ると、空港バスの乗場には行列ができている。ここからが今日の山場である。旅行者の空港から市内へのアクセスはタうクシーか空港バスが一般的だが、まだ残高がかなり残っている交通カードを使って路線バスで向かってみることにしたのである。タクシーや空港バスを利用するには手持ちのペソでは足りないのでATMでキャッシングしなければならないが、翌日にアルゼンチンを離れるのに、キャッシングするのも馬鹿らしいと思ったからである。

ブエノスアイレスのもうひとつの空港はカラファテに行く時に利用したので要領はわかっているが、今回の空港は初めてだったので路線バスの乗り場がどこにあるかわからず、グーグルマップで検索すると5分ほど歩いたところにバス停があるようになるので行ってみたが、バス停らしきものはないし、バス待ちの人もいない。そこで空港バスの所に戻ると、隣のバス停には旅行者ではなく地元の人が行列しており、行き先もメルカドール セントラルと書いてあるので、これに間違いない。路線番号は8番となっているが、バス停の場所は空港ビルから少し離れているのでネットは通じないが、さきほとネットが通じる時にみた記憶では確か8番のバスに乗るようになっていたと思う。念のために並んでいる人に交通カードを見せて、これで乗れるかと聞いたら乗れるような感じであった。

バスは予想した通り、ホテルの近くまで行くバスであったが、日本のように降車ベルがあるわけではないので、運転手に降車したいことをしらせる術がわからなかった(前回乗った時は終点や皆が降りる所だったので問題はなかった)。そのため、降りたかった所よりも少し先のバス停で、他の人が降りる時に一緒に降りたので、少し戻らなければならなかったが、まあ大した距離ではなかった。

今日のホテルもわかりにくいところではあるが、前回も泊まっているので問題はなかった。支払をPayPalでしようと思って、前日に練習をしたのだが、うまくいかず結局はなけなしのドルで支払うことになった(アルゼンチンベソが高インフレで価値が低下しているので、ドルに直結したものでないと受け取りたがらないようだ)。今日は上手くいくことと、失敗があい半ばしていたので、点数をつけるとすれば60点くらいか、

宿に着いた後に前にも行ったことがある和食店に行き、ウシュアイアで行こうと思っていたすし店がみな閉まっていたことからすしを注文したのだが、いざ食べてみると注文しなけりゃ良かったというレベルで本日の平均点を下方修正させるものであった。

3月10日

いよいよアルゼンチンにおさらばする日である。今日のサンティアゴ行きの空港はカラファテに行く時に利用した国内便中心のもので、かって知ってる空港ということで地下鉄と路線バスの乗り継ぎも問題はなかった。ところが、チェックインカウンターに向うと国内便のばかりで国際線のものは見当たらなかった。そこで近くにいた警備の人に国際線のチェックインはどこだと聞くと二階だと言われたので二階に行くと、いきなりセキュリティとなる。発展途上国ではチェックインの前にセキュリティがあることも珍しくはないなので、そのまま進むと1階でチェックインをしてから来いと言われる。そこで1階に戻ってチェックインの係員に国際線のチェックインの場所を聞くとカウンターの番号を教えられ、そちらに向うと確かに国内便のチェックインカウンターの中にポツリと国際線のチェックインカウンターがあった。国内線中心の空港で国際線に乗ろうとしたためのトラブルであった。

Eチケットには預け荷物は一個で15キロ以内と書かれていたので、それに合うようにしたつもり(重量は手で持った感覚だが)だったが、約5500円の超過料金を取られてチェックインは完了し、余ったアルゼンチンペソ4000ペソ(約700円)も飲物とスナックで使い切って、これでアルゼンチンとは完全に縁が切れたことになった。昼食を食べる時間はあったが、国際線だから食事は出るだろうと思って食べなかったら、結局、飲物とスナックしかでなかった。サンティアゴ便は空港もフライトも国内線扱いということなのか

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