シッキム旅行記
わずか45分の飛行時間ではあるが、チョモラリを初めとするブータン西部の山々から世界第三位の高峰であるカンチェンジュンガの連山(支峰も含めると8千メートル峰が4つもある)までを眺められる山好きにとっては応えられないフライトである。
間もなくバグドグラ空港に着陸したが、まわりの乗客は一向に降りようとしないので、私も着席したままでいたら、CAに降りるように言われる。まわりの乗客はほとんどがデリー方面に向かう客だったのだろう。危うく降り損なう所であった。
空港からはプリペイドタクシーでシルグリの街に向かうが、目的地近くまで来ても運転手はホテルを見つけられなくなっている。というのは、ホテルのある場所は道路がこうかと地上に分かれていて、ホテルは地上に面しているのにタクシーは高架部分を走ったために通り過ぎてしまったからである。そこで、戻ってもらっえ地上部分を走ってもらったにもかかわらず、目的地の近くでもホテルを見つけられなくなっているのである。そこで車を降りてグーグルマップ上にあるホテルを目指して少し歩くと目的のホテルを見つけることができた。
これは予約したホテルがブータンで利用したようなしっかりしたホテルではなく、雑居ビルの3階にあるというわかりにくい立地のためであった(一応看板は出ているのだが)。
ホテルに荷物を置いて食事をするために街に出てみたが、パロ空港で胃腸に感じた異変がひどくなっている気がしたので、ここで刺激の強い食事をすると、胃腸には良くないだろうと考えてスナックと水だけを買ってホテルに戻ることにした。
ホテルに戻るとどっと疲れが出て食欲もなかったので、こんな時は何も食べないに限ると、そのまま眠ってしまうことにした。
1月17日
朝目覚めると、依然として食欲はないので、胃腸薬を飲んで絶食を続けることにした。今日の行程はダージリンまでの1日がかりの列車の旅だが、席は予約されているので、座っているだけなろば体調5万全でなくても問題ないだろうと予定通りダージリンに向かうことにした。
外国の観光列車としては一昨年に南米で乗った「地球の果て」号があるが、あちらは数時間の乗車時間だが、こちらは半日がかりである。車ならば数時間で行ける距離なのに、そんなに時間がかかるのは、機関車の性能のためなのか、観光客に長く楽しんでもらうためなのか、あるいはその両方のためこもしれない。
イギリスの統治時代から走っている列車で世界遺産にも選ばれている人気列車で数カ月前から申し込む必要があるが、急ぐ旅でもないからと申し込んだものである(帰りはさすがにタクシーで直接空港まで直行するつもりだが)。
ホテルから始発駅のニュージャルパイグリまでは歩いても小一時間の距離だが、荷物が重いのと体調が万全でないためにリキシャ(オート三輪のタクシー)で向かう。
しばらく待って乗り込むと車内は満席だった。途中の街なかはショートカットして山岳部分だけを乗車しているものもあるが、今日の乗客はながたびを楽しむ(耐える)客ばかりのようである。もっともショートカットする客は日程に余裕のない日本人客ばかりかもしれない。
実際に乗車してみると、実に遅いしよく停車する。自転車よりも遅いくらいだが、これこそが悠久の大地を進むのに適した乗物なのかもしれない。
列車はあえぎながら徐々に高度を上げてダージリンを目指していくが、行程は遅々として捗らない。到着予定時刻の4時半になってもまだダーリジンまではまだ40キロ近くある。インドの鉄道の時刻はあてにならないというのは、何度も経験済みなのに、そのことをすっかり忘れていた。
ホテルまではグーグルマップでは10分ほどの歩きということだったので、急坂でもない限り歩いてもいけると思ったが、タクシーが捕まればそれに越したことはないと思っていた。
ところが、終点で下車したために
乗客全員がタクシー乗り場に殺到してタクシーはいつ捕まるはわけらない状態であった。やっと戻ってきたタクシーにのろうとすると、行く先を知った運転手はそんな近場はいやだったらしく、歩いていけと言われて乗車拒否に合う。
しかたなく歩き出すと、恐れていた急坂が現れる。短い距離だからと我慢して歩いていると、グーグルマップでのホテルまでの最短路は細い道に入っていくが、そこにほ放し飼いの犬が四匹も待ち構えている。南米で犬に散々吠えられた経験があるので、もし吠えられたらすぐに退散して遠回りしていこうと思ったが、大人しい犬ばかりで無事に通過できた。
ホテルに着くと真っ先に確認したのはシャワーでお湯が使えるかどうかであった。トレッキングから帰ってきた後に温かいシャワーで汗を洗いながしたかったからである。そこで、帰りのダージリンの宿は多少割高ではあるが、急遽温泉付きの宿を予約しておいた。雪朝は早いので早めにベッドに入った。
1月18日
6時過ぎに集合とのことだったので、早めに指定された場所に向かうが、指定された建物は見当たらないし、ガイドも現れない。そこで通りかかった人に聞くと、正しい場所を教えてもらった。道を1本取り違えていたようである。
やっとガイドとも合うことができ、なんとかトレッキングを始められる目途がたった。実は今回のトレッキングに関しては日程と必要な持ち物以外には知らされておらず(聞きもしなかったのだが)、持ち物にも寝袋はなかつたが、ネットの情報では冬場のロッジは寒いので冬用の寝袋が必要だとあったため、夏用の寝袋とアンダーウェアを多目にもってきたため、大きなザックと小さいザックを用意してきた。またどの程度歩くのかもわからなかったが、ガイドから行程を聞いたところでは、そこそこは歩くようなのでポーターが必要だということになって、払い込んだ料金にはポーター代は入ってないということなので、その料金を確認したところ、5日間で2万円弱とのことだったので、追加でどるでしはらうことにした。
やがて車がやってきたのて乗り込むか、途中から見知ら人も乗り込んできたので、専用車ではなく、乗合車のようであった。さらに急遽依頼したポーターも乗り込んできたが、暇だったということだろうか?途中で牛肉入りヌードルを遅めの朝食で食べたが、ホテルでの朝食が早かったので丁度良かった。
インドの公用語は英語とヒンディー語なので、ガイドにとっても英語は母国語なのだろうが、先日のブータンのガイドよりもはるかにききとりやすかった。もっともブータンの場合にはお寺巡りが中心で、聞き慣れない宗教関係の単語がたくさんでてきたことも影響しているかもしれなかったが
登山口のリンビックからはいきなりの急坂で、ガイドのペースに合わせて登ると息が切れそうになったが、しばらくして私を先頭にして登らせてくれたので、マイペースで登れてさほど苦しまずに登ることができた。
昼食は途中の食堂で摂ったが、インド定番のタルカリ(野菜のカレー煮)とダルスープ(豆のスープ)である。久しぶりに食べたので珍しかったが、これが毎日続くと飽きちゃうだよなあ
午後は途中に一カ所急坂はあったが、2時間ほどの歩きでグルドゥムの小屋に着くことができた。途中、ガイドがカンチェンジュンガが見えると教えてくれたが、山頂付近が見えただけなので、全容の展望は先のお楽しみにとっておこう。
クルドゥム小屋てで休んでお茶を飲んでいると、小屋の人がオヤツにサモサ(野菜コロッケ)わ出してくれた。日本でもイベントで提供されることがあり、とても値段が高いが、インドでは庶民のオヤツとして食べられていて、外で買ってもたいへん安いものである。
夕食はカレー料理ではあるが、おかずのバリエーションは豊富であり、チキンも提供されているので、若い時にネパールの山中で1週間ほどタルカリとダルバートが続いて肉を食べなかったら、麓まで降りて放し飼いの豚を見た途端によだれが出てきたというようなことにはならなくてすみそうだ。
1月19日
8時半にグルドゥム小屋を出発してサンダクブーを目ざすが、標高差1200メートルも登るので急登の連続である。1時間に200メートルの高度を稼ぐペースでゆっくりと登っていく。しばらく登っていくと、手前の尾根の向こうに白い峰々が見えるようになってくる。
12時頃に休憩所に着きヌードルを食べるが、胃腸の調子が今ひとつで半分ほどしか食べられなかった。30分も休まずに登山を再開し、午前中とほぼ同じペースで登り続けたので、3時頃にはサンダクブーに着ける見込みが立った。
右手の方にはカンチェンジュンガの連山が望めてくるが、樹林に遮られているので、写真を撮るのはサンダクブーに着くまでお預けとなった。
サンダクブーまでは1時間もしないあたりまできた時にここ数日調子の良くなかった胃腸かますます悪くなり吐き気もするようになった。別に頭痛がするわけでもないので高山病かどうかはわけらないが、以前は富士山くらいの高度では高山病とは無縁であったが、加齢により高山病になりやすくなったのかもしれない。
サンダクブーにはなんとか着いて小屋に入れてホッとした。昨日の小屋もそうだったが、個室で専用のトイレがあるのもうれしい。もちろん、ホットシャワーが利用できるわけではないが。部屋でしぱらく休んでいると、ガイドが呼びに来てサンセットが見えると言う。ついていくと、カンチェンジュンガの連山からジャヌーまてが真っ赤に燃えており、少し遠くにはマカルーからエベレストまで見渡せる。夢中で写真を撮ったが、これでシッキムに来た目的は果たせたような気になってしまった。
夕食時にガイドには翌朝の調子で予定どおりに山歩きを続けるか、車をチャーターしてダージリンまで一気に戻るかを決めるとは言っておいたが、気持ちはすでに決まっていた。目的を果たした以上は下界に早く降りて楽な生活をしたいというのが本音であった。それにダージリンにそんなに長居してもしょうがないので、シッキムの州都であるガントクにも足を延ばしたいという気もあった。
1月20日
暗いうちから起き出して日の出と朝焼けのカンチェンジュンガを見るために小高い場所まで行くと、既に先客でいっぱいであった。東の空が白じんでくると、カンチェンジュンガの連山が真っ赤に燃え出してくる。
ひととき、絶景を楽しんだ後に喫茶店に入ってコーヒーを飲んだが、その際にガイドに今日中に車でダーリジンまで下りたいということを告げる。当初の予定どおりにプルートまで尾根伝いに歩けば20キロほどはカンチェンジュンガに近づくことになるが、景色自体はここからと大差ないだろうとし、概ね平坦とはいえ20キロも歩くのはしんどいし、翌日以降も1000メートル以上も下降しなければならないのはたいへんである。車のチャーター代をガイドに聞くと、一万円くらいだと言ってたのが、本部に電話で確認したら、当初に払い込んだ料金でカバーされるということで良心的な旅行社である。
9時ころにジープは出発したが、まるで崖を下るようなスリル満点なドライブである。500メートルほど高度を下げたところで、ようやく普通の山道になり1時休憩となる。その後も舗装路(と言ってもあなぼこだらけだが)になってもスリルのある道が続く。ようやく谷間近くまで降りて旅行社の車に乗り換えてダージリンに着く。
ダージリンではとりあえず初日に泊まったホテルにまた泊まることにする。ダージリンでは最終2日間はスパの予約をしてあるので、その間は市内見学でもするつもりだが、早めに降りてきてしまった2日間をどう過ごすかが問題だ。当初はシッキムのガントクにでもいこうかと思ったが、シッキムの入域申請手続きがなかなかたいへんそうだし、許可がおりるまで結構時間がかかるとのことなので、それほどまでして行く価値がありそうにもないし、むしろ、許可のいらないカリンポンにでも行ってみようかとも思っている。












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