6月8日
栃木県から群馬県にまたがる地域のコースをまとめて登ってしまおうという欲張りな計画をたてた。さらに欲張って関東百名山の石裂(おざく)山を先に登ってから、ふれあいの道に進むことにした。石裂山に1000メートル以下の低山ということもあり、下調べもせず、五万図に記載されている登山路を行けばいいのだろうと、軽い気持で考えていた。
鹿沼駅をスタートした時は平らだった道も次第に傾斜を増してくる。土曜日ということもおり、チャリダーも何人かいて、例によって抜かれていく。五万図で石裂山への登山路が記入されている所で、自転車と荷物を置いて空身で登り出す。入口には山頂まで2時間と表示された案内板があり、標高差は約500メートルだから、そんなものかと思った。
緩やかな傾斜の林道を30分ほど歩くと沢に突き当たり、頂上まで1時間半という案内板はあるが、そこから先はどこを探しても道がない。山頂方向を示す標識は沢の方を指しており、半信半疑ながら沢に沿って歩いていく。
途中で、標識が示す登山路は廃道になってしまったのだろうと考えたが、歩けない所ではないので、しばらくは進んでみることにした。
2時間近く登っても、頂上までは標高差にして200メートル近くあり、今までのペースからすると、2時間近くはかかるだろうし、下りもそう早くは降りられそうにもないので、下山できるのは日没近くになりそうだ。この山だけを目標にしてきたのならばともかく、この後も自転車でなるべく高い地点まで行きたいので、ここで降りることにした。後で調べてみると、やはり南面から登る道は廃道に近い状態で、北面から登る道の方が良いようなので、機会があったら北面から登ってみたいものである。
登山口に戻って、また自転車で登り出すが、この頃になると、ペダルを漕ぐよりも、自転車から降りて引いていく方が多くなってしまう。
前日光温泉を過ぎ、バスの終点を過ぎてもまだ先に進まなければならない。もう少し進んで左右に道が分かれる所でどちらに進むべきか検討する必要がある。
右に進む道は古峰神社の方へ少し下ってから登り返すことになるが、案内図では神社から古峰高原方面には通行止めの記載があるのが気になる。一方、左の道は五万図では二本線の道が続いているが、オフライン地図のMapsMeでは途中から破線になっているので、これも気にかかる。
結論は夜じっくりと考えてから決めることにして、ここにテントを張ることにした。夜に熟考した結論は左の道を進むことだった。たしかに左の道は舗装路が続いている保証はないが、もともと登りは自転車を降りて引いていく方が多いので、砂利道となっていても問題はないことに気づいたからである。
6月9日
昨夜決めた左の道を進んでいくと、「前日光ハイランドロッジ方面には行けません」の表示がある。自転車なら行けないことはないだろうが、ダメなら引き返そうと思って進んでみると、土砂崩れが2カ所あり、たしかに車は通行できないが、自転車ならばかついて進めば何の問題もなかった。
やがて道は前日光ハイランドロッジから続く遊歩道に出て、観光客と出会うことになる。No4コースの撮影ポイントである象の鼻展望台で写真をとってから、ロッジに向かい、これで一件落着かと思ってしまった。
県のホームページにあるふれあいの道の地図ではNo2と3の撮影ポイントはロッジから進んだ道の突き当たり付近にあるようになっていたが、実際にはその近辺には該当する場所はなく、少々焦ってしまう。ここまで苦労して来ながら、撮影ポイントが発見できないでは、認定証をもらえないことになってしまうので、手持ちの地図で必死に探すとなんとか場所を発見できて、ホットした。県の地図が間違っていたせいで、とんだ苦労をする羽目になってしまった。
後はわたらせ渓谷に向かって千メートル近い標高差をダウンヒルするだけである。幸いさほど急な下り坂ではなかったので、それほど神経を使わずに降り立つことができた。
足尾駅まで降りて、駅前の雑貨店で食料を買い足して、荷物の積み替えをやっていると、いきなり強い雨がふりだし、今夜の銀山平でのキャンプに赤信号が灯りだした。今回は荷物をキョクリョク減らすために、軽量のテントを持ってきているため、雨降りの中でのキャンプはかなり悲惨なものになるからだ(出発前の天気予報では今日は降らないはずだったのに)。
そこで急遽キャンプを中止して、キャンプ場近くの旅館を探すと、運良くキャンプ場の手前の旅館に泊まれることになりホット安堵した。
雨も止んできたので、この機会を逃さずに旅館に向かい、温泉で体を温め、ビールで喉を潤して夕食で腹を満たした。外はかなりの雨が降っていて、キャンプせずに済んだことを喜んだ。
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