ロサンゼルス滞在と帰国
ロサンゼルスの1番の観光名所と言ってもいいハリウッドサインに行ってみる。宿がハリウッドの街にあるので歩いても行けない距離ではなさそうだ。グーグルマップで経路を検索すると、真東にかなり進んだ後に北に転ずるようになっている。そこで経路に従って歩きだしたが、曲る地点よりもだいぶ手前で左側の奥の方にハリウッドサインが見えて来たので、こちらから行った方が近いのではないかと思って進路を変更する。
その後は一本道が続いているように思えたので、地図で確認もせずに進み続けるが、しばらくしてどうもおかしいと思って確認すると、反対側の方にむかっているようだ。フリーウェイをくぐる前に分岐していた道をフリーウェイへの進入路だと勘違いして通り過ぎでしまったためのようである。やむを得ないので戻って正しい道を進むと、傾斜がだんだんとキツくなる。
ハリウッドサインから遠かったときは見えていたHollywood の文字が前景のために見えなくなってきたために、正しい道を外していたので、少し戻って正しいと思われる道を選んだらまたhollywoodの文字が見えてきた。傾斜はますますきつくなってきたが、なんとか頑張ってビューポイントまで上がることができた。ほとんどの人は車で上がったのだろうが、大勢の人が見物に来ていた。
下りは楽チンで三十分ほどで地下鉄駅までおりられた。ここから地下鉄の始発駅であり昨夜にグレイハウンドのバスで下車した地点でもあるユニオンステーションに向かう。日本のように現金で地下鉄の切符を買えるところは今回訪れた国には一つもなく、みな交通カードにチャージして利用するのが一般的であるが、そのやり方が各地域で微妙に違っているので、慣れるのが大変だ。ロスでは昨夜到着時に近くを清掃していたおばさんの助けを駆りて、最低運賃込のカードを買ったのだが、今回これにチャージしようと券売機で操作を試みたところ、どうしても上手くいかない。一回分のチャージはできるのだが、その都度手続きするのが面倒だなと思っていたら、老人向けの一回分利用料金は半額程度になることを発見、これを使わない手はないと複数回分をチャージするのはやめることにした。事前にチャージすると必ず使い残してしまうのが通例だったし。
ユニオンステーションから少し歩いた所にリトルトーキョーと言われる場所があり、日本料理店がたくさんあるというのでいってみる。下調べなしで店に入り、海老の天ぷらというのがあったので注文してみた。ブエノスアイレスで入った和食店でも天ぷらは今ひとつだったから、試してみたかったのだ。ところが出された料理は天ぷらとは名ばかりで単なる巻き寿司で期待はを裏切られた。これならば、サンティアゴの日本人が経営している寿司屋の方が美味かった。他の店に入っていないでこんなことをいうのもなんだが、リトルトーキョーの日本料理店は恐らく「海外の和食店」のレベルを超えるものではないのだろう。
宿に帰って、フライトの日程変更を依頼した代理店からメールが来てないかチェックしてみるも音沙汰なしである。全く対応の悪い代理店である。今夜中に納得できる返事がない場合は、フライトをキャンセルして、新規に予約を取らざるをえないだろう。この予約はアメリカ入国に際して、出国の手立てを証明しないと不法就労を疑われて入国拒否される可能性もあるということで、安いLCCのチケットを購入したもので、いわば役目を果たしたとも言えるので、キャンセルしても惜しくはないと言えるだろう。
昼食は和食店で失敗したので、夜は近くのインド料理店で口直ししようと行ってみると、サンティアゴの「最後の晩餐」で行ったような高級店ではなく、たくさんの料理の中から自分で選択するスタイルの大衆食堂的なものであったが、それでもビールともで料金が四千円程度になるという馬鹿げたもので、こんな物価高の国には長居は無用だとつくづく思った。
日本時間では営業時間終了となる5時に相当するロスの深夜1時になっても代理店からの連絡がないので、その予約はキャンセルして、別の航空会社の直近のフライトを予約することにした。これで早々に日本に帰れるということで嬉しくなった。
4月11日
実質的に今日が旅の最終日であるが、特に予定はない。宿の前に市内周遊の遊覧バスが停まっていたので少し興味をそそられたが、料金を確認すると2時間で約八千円とのことで即座に却下。お昼は近くのハンバーガー屋で済ませるが、あちこちでハンバーガーを食べたので帰国しても当分は食べたくないだろう。
ロサンゼルスは暑いので、夕方になって日差しが弱まってから大谷選手が今期から所属するドジャースのホームスタジアムを見に行くことにした。昨期まで所属していたエンジェルスのホームスタジアムは同じロサンゼルスでも郊外の時間がかかる所だったが、ドジャースの場合は市の中心部に近くて行きやすいし、それに帰りにはチャイナタウンで食事ができるというメリットもある。
本日のドジャースは敵地でのプレーで明日からはホームスタジアムでの試合なので、もう1日帰国を引き延ばせば大谷選手のプレーを見られるチャンスもあったが、日本と違って自由席はなく全て指定席で安い席でも8千円程度と、先ほどの遊覧バスと同程度するが、こちらの方は払ってもいいかなと思ってた。ところが、申込み方法等を調べると、単にカード会社を通した払込だけではだめで、スマホへ通知されたコード番号の入力で完了とのことである。ここで問題となるのは、私のスマホの電話番号である。音声通話の場合は日本の国番号の次に最初の0を除くのだが、データ通信の場合も同様かどうかがわからない。ここで間違えるとチケットが届かず宙に浮いてしまうかもしれない。今回はグランドキャニオンのバス予約に際してもコードの問題で失敗した前科があるので、止めておくことにした。特別に大谷選手のファンというわけでもないし、単に話のタネにするためなのだから。
ところが、地下鉄駅の終点から30分ちょっと歩いてスタジアムのゲート手前まで来ると、係員に前進を阻止される。やむを得ないので球場近くまできたことの証拠写真だけをとって引き返す。
帰り道のチャイナタウンで店に入って最初の行き違いはビールを注文したところ、酒を置いてない店だったことである。次に炒飯と小籠包を注文すると、その量がどうみても二人分あることだった。小籠包はなんとか食べたが、炒飯は海老は全部食べて残りは半分近くは残してしまった。となっあようである。
帰りの地下鉄は途中で長時間停車した上、やっと走り出したと思ったら逆戻りを始めた。すぐには気づかなかったので数駅は損をしたが、明日はそうならないで願いたい。
4月12日
6時半頃に宿を出ればいいと思っていたが、4時過ぎには目覚めてしまった。そこで気になっていた空港バスのことを調べてみた。ネットの情報では、バスの切符はオンラインでの事前申込みか下車時のカード払いで現金払いはできないとなっていたので、カード払いのつもりだったが、そこには気になることが書いてあった。それは近いうちに事前申込みだけになるかもしれないという一文である。すでにそのようになっていて、事前申込みをしてないと乗車ができなくなっているとたいへんなので、事前申込みをしておくことにした。カードの情報を入力して承認をうけたので、これで終わりかと思ったらチケットのアクティベイトもしなくてはいけないようなのだ。アクティベイトって何だ?あちこち画面をいじってたら、また申込みの画面に戻ってしまい、元の画面には戻れなくなってしまった。ここで、また申込みをすると二重払いになってしまうだろうから作業は止め、領収済のメールを見せれば乗車できるだろうと考えた。
今日の地下鉄はスムーズに動いて終点に到着し、いよいよ空港バスである。しばらく待つと空港バスがやってきたので、運転手にアクティベイトに失敗したと告げて領収済の画面を見せた。ところが、運転手はアクティベイトしなければダメだと言い張り、私のスマホを取り上げると画面を切り替えて自動的にダウンロードされていたらしい空港バスのアプリを開きアクティベイトの画面を出してアクティベイトし、それをバスの乗車口の読み取り機にかざすと、OKになったようである。申込みをすると専用アプリが自動的にダウンロードされ、そのアプリの中ででないと処理が完結しないとは、なかなかわからないことであるか、若者には常識なのだろうか。
空港までの高速道路は逆コースのため渋滞はなかったが、ターミナルの手前あたりからこみだした。ロサンゼルス空港は巨大な空港でターミナルが10近くあるが、私の乗る便はユナイテッドとの共同運行で第7ターミナルのため、グーグルマップで経路を検索すると、第1ターミナルから歩くようになっていたので変だなと思っていた。その疑問はすぐに解決した。第1ターミナルから先は大渋滞で歩いた方が早いのである。
チェックインは完全に自動化されていて荷物受け入れの所に人がいるだけである。イミグレや保安検査もスムーズに終わり、ラウンジに直行だと思ったら、ネットにはあると書いてあったプライオリティパスで入れるラウンジは見当たらなかった。他の空港でもそのようなことがあり、プライオリティパスで使えるラウンジは世界的に縮小しているようである。まあラウンジといってもプライオリティパスで使えるものは、大したサービスはないので、年会費を払ってまでカードを持つ必要はないかなと思えてきた。
搭乗券に印刷されている座席はB席なので、長時間両側を挟まれているのは窮屈だなと思っていたら、最後尾の座席だったので、両側の席は二席ずつでラッキーであった。これから東京までの11時間の飛行時間は長いと言えば長いが、イクアスからブエノスアイレスまでの20時間近い夜行バスに比べればたいしたことはないようにも思われる(アメリカ横断ではさすがにそこまで長いバスはなかったように記憶しているが)
4月13日
日付変更線を越えて日本は目前に迫ってきた。長かった旅もあと少しでピリオドである。楽しかったことも多かったが、大変だったことのほうが多かったような気もする。しかしそれらのことも全て過去のことになってしまうが、ひとつだけ過去のことではおわらないことがある。それは帰国便の日程変更についての代理店の対応を究明することである。どうもこの代理店はネットで調べてみると、いろいろとトラブルを起こしている評判の悪い会社のようである。なかには10ヶ月も争ってようやく返金に応じたというケースもあったようである。今回も予定日に搭乗していれば、何も問題は起きなかったかもしれないが、日程変更権を行使したために、そこをつけねらわれたようだ。詐欺についての状況証拠は保存してあるので、違約金を要求することはもちろん、消費者庁や国土交通省に訴えて、行政罰を与えてもらう必要があると思った。
最後の最後になってトラブルに巻き込まれてしまったが、それはそれとして事故もなく無事に終えられたことを喜びたい。読者の方にはここまで長い間お付き合いをいただいてありがとうございました。
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